妹は秘密で
 


「なんや、遅刻やで謙也。」

「謙也君寝癖付いてるわよ〜」

「浮気か小春!!」


こんな毎日がいつものこと。


ちなみに姫華が俺の妹ってことは銀と小春しか知らへん。
まぁ…教えたらめんどくさいことになりそうやし…うん。
言うたらあかん!
言うたら本間めんどいわ!


「朝練しゅうりょー!!」


白石のこの一言で部活が終わった。


「謙也さん」

「なんや…財前。」

更衣室で着替えてるとき、財前がひょっこりとやってきた。


なにか横切る…いやな予感。



「謙也さん妹居ますよね?」


ほらきたー!!
小声で言うてくる財前!
気ぃ使ってくれてるんか知らんけど…うん、お前が1番めんどくさいねん!!


「謙也さん?」

「うおぉ!?え、あ、、、なんでそんなこと聞くんや?」


更衣室から外に出ながら悩んでいるところを財前につっこまれた。


「俺のクラスに居ますからね…忍足って子が。」

「…財前何組や?」

「7組ですけど?」


キター!!
おんなじクラスかい!
めんどくさいなオイ!


「まぁ、その様子やと…」


んげ!?
気づかれた!?
気づくな気づくな!気づいたらアカン!!


「違うみたいですね。」


あら?
気づかれたかと思った…
けど…ええんか。
うん、ええわ。


「謙也さんの妹やったら手をだすのもどうかと思ってたんで…これで手ぇだせますわ。変なこと聞いてスイマセンでした。」

ニヤリと笑顔で言う財前。
ちょっと待て今…

手ぇだす言うた?


「先輩は知らんかもしれませんけど、姫華可愛いんですよ。先輩の妹やったら姫華かわいそうやなぁってずっと思ってましたし。」


うん…うん。
こいつ一回殴ってええか?
ええよな?退学とかならんよな?


「謙也さんの妹じゃなくて本間よかったですわ。今まで遠慮してきた自分がバカみたいやったですわ。」


遠慮してたんか?
ってか…お前は…本間に…


「あ、噂をすれば姫華ですわ。」


財前が前を見据えて言う。
視線の先には…



『あ、光やん!!』


こちらに走ってくる姫華が居た。


 
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