テニス部で帰ろう
 


 「姫華ちゃん、せっかくやから一緒に帰らへん?」

白石が誘う。

 「白石抜け駆けはだめたい!」

 「わいも姫華ねーちゃんと帰りたいー!」

 「久しぶりに姫華ちゃんと語りたいわー」

 「な、俺が一緒に帰るねん!」

 「先輩らきもいっすわ」


レギュラーみんながいっせいにわいわい言い出す。


 『え、じゃぁみんなで帰りません?』


姫華が首をかしげて尋ねる。


 「えーな!じゃぁ姫華部室の外で待っといてくれへん?」


白石が1番に答える。


 『了解しましたー』


姫華はニッコリと笑って部室の外に座る。


そしてみながみないっせいに着替えだす。


 「小春ー俺の服しらへんかー?」

 「知らんわよー急いでるから探してる暇ないわー」

 「小春酷いわ!俺も急いでるんやけど!」

 「一氏先輩…浮気ですか?」

 「なにゆーてんねん光!俺がいつ浮気したと…」

 「今」

 「あ…のなぁ…」

 「着替えるの遅いですよ先輩等」

 「なんでみんな着替えるの早いねん!」

 「謙也こそ十分早いたい!」

 「みんな考えてることは同じっちゅーことやろ!」

 「わい1番ー!」

 「金ちゃん、ちゃんと片付け!」

 「いややー!姫華ねーちゃんと喋ってくるー!」

 「金ちゃーん?」


白石が左手を金太郎に見せる。


 「どどど毒手は勘弁してぇな!ちゃんと片付けるから!」


部室はどたばたしていた。




そのころ姫華――


 「姫華はんやないか」

 『師範?久しぶりー』


部室の外で座っている姫華を見て銀が姫華の前に座り話しかけてきた。


 「姫華はん、こんなとこでどないしたんや?」

 『みんなと帰るからみんなを待ってるのー師範はちゃんと練習してたんやね!』

 「む、まぁな」

 『師範も一緒に帰ろー!』

 「せやな。いっつも姫華元気そうでよかったわ」

銀が笑う。

 『わらっとかなあかんもん!』

にこーっと笑って答える姫華。

 「ええことや」


そう言って銀は立ち上がり部室に入ろうとした瞬間



ドタバタタ




 「『…』」


姫華と銀は無言になる。
倒れてきたのはレギュラーたちだ。


 「わいが1番やー!」

 「結局2人っきりになって喋れへんやん」

 「仕方なかと」


 『師範も一緒に帰るんで、師範が着替えるまで帰りませんよ?』


姫華の一言でみんながいっせいに崩れる。


 「なんや、急いで損した感じやな」

 「ってか、姫華と師範って知り合いか?」

 『師範はうちのよき話し相手!』

 「相談所みたいなところやけどな…」


そういいながら師範は部室に入っていった。






 
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