ついに来たりしこの時
そしてまた時は過ぎ全校集会――
「あれ、姫華並ばへんの?」
『今日ライブあるんですー』
「本間!?ちょ、みんなー!」
一気にコンサートの話題でいっぱいになる。
他のクラスももう知っていた様子で、全校集会どころの話じゃない。
『ってことで先行くわ。』
「まぁ、がんばり」
光が少し苦笑いをしながら姫華に言う。
姫華もまた光につられ苦笑いしながら頑張るわ。と言って体育館へ行った。
「財前君、ちゃんと姫華見るんよ!」
何名かの女子にそう言われ、財前は少し眉間にしわをよせほっとけとだけ言った。
みんなが体育館へ向かう。
校長先生の話…
みんながずっこける。
『あれいたいんよなぁ〜』
体育館裏にいるバンドメンバーは生徒の様子を見て、クスクス笑っている。
「あれ、自分達がやってるとなるとうけるね。」
睦月が姫華に言う。
『でも今はそれどころやないですわ!』
衣装に着替えたバンドメンバーは舞台裏でちゃんと先生の話を聞いている。
先生の話が終わった。
「次は、軽音楽部がライブするらしいのでそのままー」
先生がそう言うと、軽音の1年がドラム設置などの準備に移る。
舞台は暗くなる。
水無月が先生の元へ行き、マイクをかりる。
「えーみなさん、今日はこの場をお借りしてライブが出来る事、誠に感謝しています!前回のアンケート結果も今回発表します!」
椋がそう言うと、いっせいにわーっと歓声があがる。
「で、ちょっと移動をしてもらおうと思います!」
椋はそう言いながら、舞台下に歩いていく。
「皆さんから見て右側に男子、左側に女子が移動してください。真ん中から大きく移動してください!クラスとかその辺はもう関係無しでええですから!部活同士でも好きな人同士でも構いませんー」
椋がそう言うとみんなぞろぞろと移動する。
「光、こっちおいで〜」
「…部活メンバーで固まるんですか?」
小春に呼ばれた光は、周りを見てテニス部しかいないことに気づく
「その方がええやろ?」
にっこりと笑って白石が答える。
「はぁ…」
財前はほほをかきながら答える。
「姫華、でると?」
千歳が目をキラキラさせながら謙也に聞く。
「でるやろ〜あいつ楽器は出来るからな!」
「なぁ、姫華って誰や?」
金太郎が謙也のすそをひっぱりながら聞く。
「謙也の妹たいよ。」
千歳が健太郎を見ながら答える。
「謙也妹おったんかいな!?」
金太郎がビックリした表情で謙也を見る。
「おったら悪いか!」
そう謙也が言った瞬間、体育館全体が暗くなる。
「みなさん、足元気ぃつけてくださいね。」
椋はそう言うと舞台の上に上る。
「それでは新生メンバー初のコンサート!聴いてください!」
椋がそう言った瞬間、ドラムのかっかっかと言うリズム音が聴こえ曲が始まった。
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