バンド発表
『遅れてゴメン!』
部室のドアを勢いよくあけ入ってくる姫華。
「お疲れ姫華ちゃん!千歳ちゃんと委員会行ってたでしょ?」
愛が姫華に駆け寄りながら言う。
『うん!千歳先輩と同じクラスやねんね、愛先輩!』
姫華は笑顔で答える。
『で、発表、発表!』
姫華は荷物を置き、いつもの自分の席に座る。
部室はフローリングで、上靴はみんな脱いで入っていて、床にはじゅうたんが敷かれている。
部員がそこに座っている。
部員全員の前に椋が立つ。
「えーじゃぁ、姫華が来たことやし発表します!」
そう椋が言った瞬間、他の部員が拍手する。
「まず楽器!こっから投票数もいいまーす!全部で投票数は653!なんと先生方も全員協力してくれるという歴代最強!で、そんななかドラムに選ばれたのは俺!531票!」
ぉおおと感動の言葉と拍手が飛ぶ。
「ありがとう。で、次!ギターは愛で529票!」
また声があがり、拍手も飛び交う。
愛は立ち上がりお辞儀をする。
「ベース!ジャスト600票獲得ー達也ー!おめでとー!」
拍手が飛び、声もあがる。
『達也にベースとられた!!』
「実力やろ」
『それやったらうち今年でれへんやん!』
ガーンとショックを受ける姫華を見て椋がにやりと笑う
「最後まで聞けよ姫華!」
『はーい』
「ヴォーカルはなぁんと643票獲得!」
あたり一帯がざわめく
「その投票を得た最強ヴォーカリストはなんとベースになれず落ち込んでる姫華!」
椋が言ったあとに大きな拍手が飛ぶ。
『…は!?うちヴォーカル!?あのとき失敗したのに!?』
「声がいいとか、沢山コメントあったで。」
そう言って椋が沢山の印刷されたプリントを姫華に渡す。
『何?』
「納得いくように、コメント全部コピっといた。ま、ベースは諦めてがんばりぃ。」
そう言って椋は姫華の頭を撫でる。
姫華は未だにフリーズする
「ちなみにーこの決定バンドメンバーは外部には内緒で!来週のライブのときに発表するから!裏切る奴はおらんよな?」
椋が笑顔で言う。
みんなが頷く。
「よし、じゃー楽譜と配置の奴配ろうかな…人に見せんなよー」
椋がそう言いながら楽譜やら配置などのプリントを配る。
『…来週?』
「はやくね?」
姫華と達也が目を丸くして楽譜を見る。
「膳は急げ。そーゆーことやって」
笑顔で答える椋にみんなが苦笑した
そんな感じでバンドメンバーが決まった。
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