千歳先輩
 


『えっとですね、一緒に掃除する2年の忍足です。』

「忍足!?」

苗字を言った瞬間、ビックリした表情を見せる千歳先輩。
もしかしてー

「もしかすると…テニス部にお兄ちゃんおったりすると?」


キター!テニス部のお兄ちゃんの知り合い!
知り合いか!そっかそっか!うちテニス部全然分からんからなぁ…
よーめずらしい言われるけど、レギュラー全員を把握してるあなた達の方が凄いよって言いたくなる。

「どうしたと?」

千歳先輩がうちの顔を不安そうな顔で覗き込んでくる。

『あ、いえ、なんでも。で、テニス部に兄ですね?いますよ。』

「似てないとね。」


そう苦笑しながら掃除道具を取りに行く千歳先輩。

「で、どう掃除するばい?」

『えっとですね、まず玄関からしましょう!』

「まずって…他にもあると?」

『はい。あと職員室周りと校長室周りが…』

「それ2人でしろと?」

『ええ…』

うちが苦笑いで答えると、千歳先輩もまた苦笑いをする。


「それじゃ玄関いくばい。」


カランカランと下駄をならしながら歩く千歳先輩。
それにしても大きいなぁ…
謙にぃが小さく感じる


「どうかしたと?」


うちの視線に気づいたのか、千歳先輩が振り返る。
後ろを向きながら喋る先輩。


『え、いや、なんでもないです!』

「敬語いらんばい。あと、呼び方もかたっくるしいから、千歳でよか。」

『いーんですか?』

「むしろお願いしたいばい。」

『じゃぁ、慣れたらそう呼びます!』

そういうと少し苦笑いする千歳先輩

『あ、あたしのことは姫華でよかです!』

「俺の真似しとぉ?」

『ちょっと言ってみたくなっちゃって』

「姫華はむぞらしかね〜」


そういって頭をぽんぽんと撫でる千歳先輩
むぞらしかってなんなんだ…?
そんな話をしてるうちに玄関についていた


「さて…じゃぁ、頑張るたい。」




2人で掃除を始めた。



 
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