美化委員会
キーンコーンカーンコーン
『よっしゃ、終わった!委員会!』
チャイムと同時に鞄を準備する姫華。
「そんな急ぐん?」
『そりゃ、結果はよ聞きたいしそれにな…』
俺が聞くと姫華は鞄を閉めながら少し暗い顔をする。
「それに…なんや?」
『いや、委員会の掃除当番、3年の先輩とすんねんけど…その先輩授業日数がギリギリやらなんやらで…』
なんかそんな先輩身近に居った気がする。
『その先輩が来ない確立90%なので、うちが頑張らんと!』
そう言って鞄を準備し終える姫華。
『ほなね、光!部活頑張って!』
笑顔で言って来る姫華に俺もまた自然に笑う。
――
『委員長、無理だって、範囲広いですって。』
「ゴメンな〜手配しっかりしとくべきやったわ。」
えー只今姫華が実況中。
ぶっちゃけ、今ピンチです。
なんでも掃除範囲がめちゃ広い。
玄関と校長室周りと職員室周り。
これを2人…?
あ、でも相方の先輩こーへんからうち1人?
部活行けるんか!?
「まぁ、頑張って姫華ちゃん!時期、軽音部長♪」
そういいながら委員長が去っていこうとする。
『ちょ、委員長手伝ってくださいよ!』
「なんで?」
『だって、3年の人来てないじゃないですか!』
「そりゃ、姫華ちゃんの運が悪い!」
『関係ないですわ!』
「さぁ〜て、あたしはちょぉっと用事があるからその手離してくれると嬉しいな♪」
絶対嘘や!
この掃除めんどうだからしたくないって顔に書いてるし!
こうなったら意地でも離さん!
『委員長の白状もん!本間、助けてくださいよ〜!』
「あ、千歳来た。」
…千歳?
誰ですか?
「来たけど…どうすればいいったい?」
背ぇ高い!
お兄ちゃんより背高い!
ってか、学校やのに下駄ですか!?
まぁええわ。
ってかこの人か、出席日数ギリギリな人って!
「よかったな、姫華ちゃん♪さっき教えた範囲、千歳に教えちゃって。ほなね。」
委員長はうちの手が緩んだ隙を狙って笑顔で去っていった。
畜生!逃がした!
まぁ、先輩が来てくれたからええか。
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