同学年の敵
 


『達也、どしたん?』

姫華が達也の居るドア付近にもたれながら言う。

「部活の集計終わったらしい。」

腕組しながら背中をドアにもたれさせている達也は、あっさりとした口調で言う。

『…は?』

「せやから!楽器担当決まったんやってよ。」

『…早くない?』

「椋先輩、そこんとこだけは凄い早い。それに、1年とかが気合いれて集計してた。」

『まじかー』

あははと苦笑する姫華につられて、達也自信も苦笑する。

「で、今日の放課後発表やって。」

『ちょ…は…?えっ?』

「せやから、部活遅れんなよ。」

ほななと言って立ち去ろうとする達也を姫華はひっぱって止める。

『うち今日の放課後委員会!』

「ドンマイ。」

そう言って、達也はまた去ろうとする。

『待たんかい!どうすればええんよ?』

「…しゃーないなぁ、先輩等に言うとくわ。姫華は委員会って」

『美化の掃除当番!1時間で終わる!』

「ほな、1時間後、姫華が来たときに発表してやってください。って言うとこか?」

やれやれとした表情で言う達也。

『本間!?さんきゅー!』

「ただし条件」

『なに?』

「財前とあんま仲良くしないんやったらえーよ。」

真顔でいう達也に姫華も真顔になる

『どんな冗談よ』

「冗談ちゃうねんけど」

『それやったら、うち直接先輩に頼みに行くわ。達也に任せたうちがバカやった。さようならー』

引き止めていた手を離して、淡々とした口調で言う姫華。

「嘘や。」

『どっちやねん!』

「本気や」

『せやからどっちやねん!もうええわ!』

「ええん?」

『うん、昼休みに直接いうわ。とりあえず報告ありがと、ほな!』

ニコーっと笑顔で言って、自分の席に戻る姫華。
そんな姫華を目で追いかける達也。
そのとき、財前と目が合う。


とりあえず、一瞬睨み合って、そして達也は教室を後にした。








 
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