少し、足が痛いかもしれない。ヒートの傷よりも酷くはないと思うが赤く腫れてそうだ。靴下を下げて見てみたら……ああ、かすり傷だけど赤くなっている。
「ガゼル様?休憩の時間は過ぎましたよ」
「あ、ああ。今行こう」
靴下を戻してグラウンドに戻った。フィールドに立てば既にプロミネンスは配置に着き、バーンは堂々と立っている。目が合えば瞳の奥はギラギラと燃えていた。私は溶かされないよう薄ら笑いをしてバーンから目を逸らした。
ホイッスルが鳴りプロミネンス側のボール、私は走ろうと足に力を入れた。ズキと足の筋が傷んだ。思わず足が止まったがすぐにボールを追った。
「っ……!」
ただ横転して足をひねっただけのことだ。気にすることはない。
ヒートが持ったボールをカットして地面に右足を着いた時だった。痛さに耐え切れずに手をついてしまった。ボールが跳ねて転がって行った。
「ガゼル様……?」
カットされたヒートは私のすぐ後ろでうろたえていた。
「ガゼル様!!」
クララやアイシーが私の足を見ようと靴下に手を掛ける。私はその手を退かして平気だ、と言い張った。
「ただひねっただけだ」
「なら尚更ですね」
アイキューが私の両腕を掴んで立たせた。持ち上げられて足がつかない。
「は、離せ!私は大丈夫だアイキュー!」
「ダメですよガゼル様、痛いなら痛いと言ってください」
「わ、私は……」
「ったくしょーがねーな」
いきなり身体が浮いてバーンに掴まれる。私を担いで歩きだした。止まっていた思考を動かして私は暴れたけれどバーンはがっちりと私を押さえ込んでいた。
「バーン!離せ、迷惑だ!」
「うるせえなー……あ、おまえら合同練習しといて」
「か、勝手に決めるな!」
「ひねったのは俺の所為だろ。いい加減仲間にも頼れよ」
確かにバーンの言う通りだから反論は出来ない。私が肩の上でうなだれるとバーンは溜め息をついた。
「ほら、足だせ」
「……ん」
バーンの部屋に着いたら椅子に座らされた。靴下をするすると脱がされて消毒されて少ししみた。
「ひねった部分はシップでいいだろ、ほら足」
「いっ、」
「……わりい、我慢して」
「ん゛……」
ひんやりとした感触と掴まれて痛む足首に眉を寄せながら我慢した。丁寧に包帯を巻かれ、シップの上からきつめに縛られた。たまたま見たバーンのいつもとは違う真面目な表情に少し戸惑った。
「おし!出来たぞ!」
「い゛っ!?」
包帯を巻かれた右足を力一杯叩かれて私は椅子から仰け反った。気合いを入れたつもりだろうが、私には涙が出る程痛かった。



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