気付いたら爆睡していたみたいで俺はすぐに身体を起こした。欠伸を一つしてベッドから離れる。小腹が空いたから食堂に行こうと部屋を出てすぐに廊下で集まっているヒートやネッパー、バーラ達プロミネンスのメンバーが悩んでいるように見えた。
「どうする?……グラン様には言うなと言われたがガゼル様は……」
「だいたいリーダーはいつまで寝てるんですか、これじゃ俺達ガゼル様から印象悪くなるって」

「俺が何だって?」

「バーン様!?」
人を化け物みたいに怖がって失礼な奴らだな。俺が腕を組んで黙っているとヒート達はそそくさと逃げようとする。俺はそれを目で止めた。
「で、グランとガゼルが何だって?」
「ああいやその、それは」
「ああ?はっきり言え」
「グラン様に言うなと言われたので、言えません」

──ブチッ

んだとおおぉグランの奴俺のチームの奴らに何吹き込みやがったんだ、何だ、思い当たる節はねえぞ。それよりもリーダーの俺じゃなくてグランの味方をするとはいい度胸じゃねえかこいつら。
「言え」
指を鳴らすとバーラやレアンが肩を震わした。ヒートもゴクリと息を呑む。脅し?知るか、吐かないこいつらが悪いんだ。
「分かりましたバーン様」
ヒートが汗を流しながらメンバーに目配せをする。お、やっと話す気になったみたいだな。俺がまだかまだかと待っているとヒート達は俺に背を向けて密集していた。おい、まだか、早くしろ。
ようやく俺に振り返ると、メンバーは渋々頭を下げた。
「バーン様、」
「おう」
「ごめんなさい!」
「え?」
いきなり廊下に散らばって逃げ出したプロミネンスのメンバー達は俺にまた背を向ける。
なるほど、意地でも話さないつもりなら俺にだって手はある。
「待てごらああぁぁああ!」
取り敢えず目に入ったレアンを追い掛けると悲鳴をあげて俺から逃げる。
「わ、私グラン様には逆らえませんー!」
「んだとリーダーの命令が聞けねえのかぁあ!?」
「ごめんなさいぃ!」
謝り続けるレアンに俺は舌打ちをしてレアンの隣で走るヒートに声を出す。
「おいヒート!言え!」
「お、俺達幼なじみだろ?見逃してくれよバーン様!」
「てめーら調子いいこと言いやがって!」

俺達のおにごっこは続いた。
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