「これから一緒にサッカーをする三人だ。みんな、仲良くやろーな!」
円堂の言葉にチーム全員が腕を上げて声を張り上げた。チームのほとんどが知ってる三人の紹介が終わったら、俺はすぐに風介に向かった。ヒロトは目を離せば既に円堂の隣に引っ付いていて、栗松や壁山にジト目で見られていた。やはりこのメンバーに円堂は必然なんだな。
クラスの違う南雲も早くに雷門チームに打ち解けていた。荒々しい性格の面でも、友達として見るならばチームのいい支えだった。
「風介、準備体操一緒に組まないか?」
「別にいいよ」
俺が風介の隣に立つと、もう打ち解けたのかとチームが驚いていた。円堂達は知っているが、クラスの違った奴らには俺と風介のことは知らないだろう。円堂とヒロトが楽しそうに説明しだした。
「風丸くんって凄いんだよ!もう風介とお友達になってるんだ」
「あのガゼルと呼ばれた凍てつく闇が風丸とあんなに楽しそうにしているとはな」
ヒロトに続いて鬼道も笑う。俺は少し優越感に浸ってしまう。風介がユニフォームをくい、と引っ張る。俺は首を傾げて見れば早く準備体操をするぞと冷静に言われた。苦笑いする俺はやっぱり面倒見がいいんだろう。
「南雲、一緒に練習しよーぜ!」
手を振る円堂に俺はああ、と一言出すと手にあるボールを宙に上げた。それは円堂にではなく奴目がけて蹴るボール。俺は怪しく笑うと地を蹴った。ヒロトも俺の行動に気付いたみたいだけど知るかよんなもん。ヒロトの制止の言葉を無視して身体をひねるようにボールを蹴った。
「!?」
円堂ではなく準備体操をしようとする風丸と風介目がけて飛ばした。チームが一斉に俺を不思議な目で見る。ヒロトは気付いてやがるけど俺が目で黙らせた。
すぐに反応した風介は顔を上げるとボールを蹴る態勢に移った。
しかしボールは風介ではなく風丸が前に出て俺のボールを蹴り返した。風介を庇うように。
跳ね返ったボールは俺の真横に飛んで見事円堂がキャッチした。
「晴矢、やり過ぎだよ」
「うるせえ」
ヒロトを睨むと俺は風介に向かってドカドカと歩いた。気付いた風介も今度は風丸を庇うように俺の前に出る。腹が立って俺を睨む風介を睨み返した。
「貴様、何をする」
「ムカつくんだよさっきから、俺以外に愛想笑いしやがって」
「晴矢……」
眉を下げた風介の腕を掴んで引っ張ると、風介の足が止まる。反対側から風丸が風介の手を握っていた。
「南雲、風介は……」
「離せよ!俺のだッ!!」
思い切り腕に力を込めると、風介の顔が歪んだ。
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