内容知らないけどガゼルとアフロディが同じチームだから←



「涼野くん、君は練習には出ないの?」
「後で行く」
私が部室に居ないからか、決まって照美は私を呼びに来る。最初はぼろぼろの姿だったから驚いた。私を必死に探したらしい、ただの馬鹿だ。仲間だから、と柔らかく笑ったのを私は覚えている。
「また南雲くんと喧嘩かい?」
「……」
「君は喧嘩をすると決まってここにいるよね」
部室裏の木の上に乗る私を見上げる。照美も登るのか木に手を付いた。
「僕も登っていいだろうか」
小さく頷くと照美はまた笑った。登って来た照美は私の隣に座り下の眺めや高い場所からの景色を楽しむように顔が綻んでいた。
「素敵な場所だね」
「ココからなら練習も見れる。だからサボりじゃない」
私を見た照美は意外そうに瞬きをして、そうだね。と呟いた。
「それで、喧嘩の原因は?」
どうやらこれが本題らしく、照美は私から視線を外さなかった。居心地が悪い、私は照美に背を向けた。
「大丈夫、言い触らしたりしないよ」
背中をぽんぽんと叩いて私の肩に手を置いた。耳元まで照美の息が掛かる。少し身体がびくついた。
「……は、晴矢が」
「うん」
「私のことを、チビ、だと」
「う、うん」
「晴矢こそ私とそんなに変わらないのに、最近のアイツは妙に成長が早いんだ。私はそれが嫌で晴矢に酷いことを言ってしまった」
「それで南雲くんは機嫌が悪いんだね」
そうなのか、やはり私から謝るべきなのだろうか。だけどダメだ。私からなんてこのプライドが許せない。どうするべきか私は頭を抱えた。
「謝りたいんでしょ?手伝うよ」
「でも、私からなど……」
「素直になるおまじない、する?」
「素直に……?」
顔が近い照美に戸惑いながら私はそれを疑問に思った。なる訳がない、この私がだ。いつもいつも謝ろうとして晴矢の顔面にノーザンインパクトをしてしまう。
「出来る訳がないだろう」
「それが出来るんだ。南雲くんもきっと驚くよ」
「ほ、本当?」
「うん、じゃあ少し待ってて」
そう言って照美は木から降りて部室に入って行った。私も待っていようと降りて木に寄り掛かった。一体照美は何を持って来てくれるのか、緊張と好奇心が煽られる。
「お待たせ、はい」
走って来た照美は私に小さな瓶を渡すと隣に座った。私もそれを見つめる。
「綺麗でしょ」
「あ、ああ」
「早く呑んでごらん、言いたいことがはっきり言えるよ」
隣で照美が急かす。私も渋々それを呑んで瓶を空にした。照美は嬉しそうに微笑むと、南雲くんを呼んで来るね、とまた私を残して行った。空になった瓶に目をやる。確かに綺麗な色をしていて透き通っていた。

トク──

「!?」

「涼野くん、南雲くんを呼んで来たよ……あれ?居ない」

何をしているんだ私は、何故私は隠れているんだ。身体が勝手に動いた。身体が勝手に熱を持ち出した。まるで炎に包まれているみたいで、熱い。

「はる、や……?」

目の前に影が現れて顔を上げたら照美が立っていた。
「逃げちゃダメだよ。謝ろう」
「あ……」
照美が私に手を差し出す。私は胸の鼓動が押さえ切れない。熱いんだ、どうしてだろう。
「一緒に行こう、ね?」
私は震える手でその手を握った。

晴矢、ごめんなさい大好き!



20100315
無理矢理終わらせた…。