3トップで仲悪



最近はよく夢を見る。晴矢と風介と遊んだり笑ったり、いつからだろうか、そんな小さなことが出来なくなってしまったのは。
昔に戻りたいと、時々思ってしまう。守に会ってからは、それがもっと大きくなった。
「あ、バーン」
廊下の角でばったり会ったバーンに声を掛けたら不機嫌なのか険相のような目付きで睨まれ、まさに地球で言う不良だった。
俺が歩くのをやめてバーンを見たら、んだよと唾を吐くように言ってきた。別に何もなにけれど、ただ少しは笑えたらなと思った。
「あのさ、俺達、また昔みたいに」
「昔ぃ?なに訳の分からねえこと言ってやがる。テメェは俺の敵だ!話かけんじゃねえよ!」
「……すまない」
バーンは相変わらずだ、相変わらず俺を嫌ってる。そりゃあ昔みたいになんて思ってる方が馬鹿だけど、少しくらいはいいじゃないか、俺だって守みたいに友達が欲しい。昔の晴矢と風介のような友達が。
「リーダーが二人揃って、騒がしいよバーン」
「んだと」
後ろから歩いて来たガゼルに俺とバーンは一緒に振り返った。俺達に向けられるその眼差しは凍てつくように冷たく、誰も映さない。
「どうしたのグラン、元気がないみたいだね」
「こいつ、昔がなんたらかんたら言ってやがる」
「昔……?」
「俺らは敵だ!そうだろ?」
「そうだね」
ガゼルのあっさりとした態度に俺は愕然とした。ガゼルなら、風介なら違う答えを出してくれるんじゃないかって心中勘違いしてた。俺は二人に嫌われてる。晴矢にも、風介にも。
「ごめんね、変なこと言って、忘れて」
「ったりめーだ」
バーンが俺に背を向けて帰ってしまった。昔なら泣きそうな俺の手を引っ張ったりしてくれたのに。凄く、悲しい。
「……ガゼルも、早く行きなよ」
未だ俺の後ろに立ったままで去ろうとしない。震える声で必死に言ったのにガゼルは動かなかった。もういやだ、俺の中で何かが切れてしまった。
壁を思い切り殴ってみせたけどガゼルは整然としていて、俺はガゼルの肩を掴んでを壁に打ち付けた。
「お願いだ、一人にしてくれ!」
「……」
「俺は敵なんでしょ!?嫌いなんでしょ?」
俯いてガゼルの顔を見ないようにした。だってガゼルのあの氷の目を見てしまったら俺の心は凍ってしまう。今の俺が見たら、きっと不安定になってしまう。ガゼルの冷たい否定の眼差しに恐れるなんて滑稽だ。

「戻りたいと思っているのが君だけだと思わないでよ」

小さく微かに震えたガゼルの声に、俺は頬に流れ続ける涙を拭いた。



20100331
ブリザードやり始めたからネタがわんさかと。
でも書く暇ない←