女王様ガゼるん
横たわるそいつの腹に蹴りを入れた。苦しそうに踞って、私の蹴りを何発も食らわしてやった。ざまあみろと上で踏み付けて見下した。 そいつはまたむくりと起き上がり、私に抱き付いてきた。鳥肌が立つ程に不快感を覚え、奴を突き飛ばした。 「……ガゼル、様」 ふらふらと私に与えられた傷を負ってもなお身体を支え、私へと向き合おうとする意気は認めてやろう。だが気に食わない、私に意見するなど、私を一人にしようとするこいつが気に食わない。 「ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな!貴様は何がしたい?私が好きだと?お慕いしております?嘘をつくな!」 裏手で頬をひっぱたくと、そいつは口元をゆるませて笑みをこぼした。それを見た私は怒りのあまり鳩尾に蹴りを入れようとしたら足首を掴まれてそのまま突進して来た奴の下敷きになった。 「うう……」 派手に頭を打った私は目を瞑り唸っていた。そのすぐ隣で床に手を付いて私に覆い被さる気配に気付いた。 見上げれば私が傷つけた傷ばかりで、口も切れて血が滲んでいる。私が哀れむように鼻で笑うと、上の奴は小さく目を細めた。 「お願いです……」 「断る」 「……バーン様にはレアンが居るのです。ですから、」 「だから私から距離を置けだと?!いい加減にしろ、バーンは私がす、んっ」 腹が立って声を荒げれば唇が私の口を塞いで黙らせた。相手の腕を掴んで爪を食い込ませれば手首を掴まれて両手とも拘束された。 いい度胸じゃないかプロミネンスごときが私を捕まえようとするなど。私は奴の唇に噛み付いてやるとじわりと鉄の味が口内に広がった。奴の下唇を噛み契ってやった、私は不適に笑みをもらすと苦しくなる呼吸にすぐ顔を歪めた。 何故唇を離さない、目障りだ気持ち悪い。私が更にまた噛みつこうとしたらにゅるりと歯列をなぞられて舌が捕まった。 あああああ冗談じゃないよりによってこんな奴にキスされた挙げ句息を乱される。屈辱だ屈辱だ屈辱だ、凍死させてやろうかこいつを。 「ぁふ、っん」 床に押し付けられた両手に力を入れたけど無力、だから私は脚を上げて奴の腹を蹴り上げた。 吹き飛んだ奴は多少よろけながらもまた私に覆い被さった。さすがの私もひっと強ばってしまった。それを見た奴は微笑むと、私の太股を撫でた。 「バーン様が居なくても、」 耳元で囁かれる。ふるふると身体が変に反応してしまう。 「俺が一緒に居ます、だから」 早く別れて、俺と幸せになりましょう。 戯れ言を吐かす奴の顔に私は唾を吐いた。
20100329 ガゼルひxりが多いから ヒートに八つ当たりごめんね
x…だ
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