「僕たちが韓国代表、ファイアードラゴンだ」
あの優勝候補の韓国にアフロディが居るとは予想外だった。挑戦的な目付きをして俺たちを見る。するとマキュアが横で笑った。
「あのカオスにズタボロにされた奴じゃない、何で韓国に居るのよ」
腕を組んで嘲笑うマキュアにアフロディの眉がぴくりと動いた。アフロディは感情的になることは少なくともないがマキュアが喧嘩腰で問題を起こしたら大変だ。腕を目の前に出せば唇を尖らせて黙った。
「僕だけじゃないさ」
するとアフロディの後ろからあのエイリア学園のキャプテン二人が出てきた。プロミネンスのキャプテン、バーンとダイヤモンドダストのキャプテン、ガゼルだ。
「やっと会えたね」
「長くて退屈したぜ、決勝戦までの道のりはよ」
「ガゼル!」
俺の横を赤が走り抜けて前に居るガゼルに抱きついた。抱きつかれたガゼルはぽかんと口を開けてヒロトの腕の中に居た。会いたかったよガゼル相変わらずかわいいねと耳元で俺たちに聞こえるように囁いていた。ガゼルは顔が真っ赤だった。
「テメェ、グラン!!」
バーンがヒロトの腕の中に居るガゼルのユニフォームを掴んで引っ張りあげた。ヒロトが惜しそうに口を尖らせる。
「バーンも相変わらずガゼル取られると怒るね」
「うるせえ!」
「晴矢、苦し……」
ガゼルを思い切り抱き締めていたことに気付いたバーンは慌ててガゼルを突き放した。そして何故か怒っていた。まあ大体予想はつくが相変わらず短気で独占欲が激しいな。
「おまえ風介に戻ってから気がゆるんでるんじゃねえの?」
「そんなことはない」
「どうだかな、俺の脚引っ張んじゃねえぞ」
その台詞を聞いて今度はガゼルに火が付いたみたいだ。やはり似た者同士なのは変わってないな。キッとバーンを睨んで自分たちのベンチに戻って行った。大丈夫なのか、韓国は。
「ああ、気にしないで、いつものことだから」
俺が難しい顔をしていたのかアフロディは清々しい笑みで言った。いつものことだからこいつらは慣れているのか、どうりで普通なワケだ。しかしこいつらの中世に入るアフロディをすごいと思った。


--20100710
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