キャラバンの中で眠っていたら急に上から重みがきた。ふと目を開ければもう夜で、人影が俺の上にあった。誰だとみんなを起こさないように小言で言えばくすくすと馬鹿にする笑いが聞こえた。
「……涼野?」
「正解、よくわかったね」
「寝れないのか?」
「寝れない?違うよ、思い出作りさ」
涼野の言ってる意味がわからなくて身体を起こせば涼野が胸に倒れてきた。ふさふさした髪が頬をかすめてくすぐったい。夜だから暗くてわからないけど、すぐ隣には円堂たちが眠ってるんだ。俺は涼野を引き剥がして距離を取った。そしたら懲りずにまた近付いて俺にもたれる。珍しい、まるで気まぐれな猫みたいだ。
「何かあったのか?」
「うん……あるよ」
「いったいどうしたんだ涼野、おかしいぞ」
腕を掴んでまた俺から引き剥がせば、ちょうど月明かりで見えた涼野の切ない顔。驚いて目を見開いたら涼野の顔がだんだん近付いていた。
「キス、して」
「……は?」
「風丸のぬくもりを、この身体に刻みたい」
すると俺の唇は簡単に奪われて、涼野の冷たい唇がひんやりと俺の頭を覚醒させた。柔らかくて気持ちいい涼野の唇に俺が食い付くと驚いて腰を引かした。
「ん、んん、ン」
俺に手を付いて今度は涼野が逃げる番だった。ろくな息継ぎもしないで苦しそうに目に涙を溜めた。俺は気にせず舌を絡めた。くちゅくちゅと静かな闇にやらしい音が響く。敏感になった涼野のを握るといきなり涼野は俺の唇を噛んだ。
「ッた」
涼野から唇を離すとはあはあと止まらない涼野の息。仕舞にはむせて咳をしていた。やりすぎたかな、と覗けば睨まれた。けどすぐに抱き付いてきた。
「もっと酷くしていい」
「酷くされるの、好きなのか?」
「まさか、君だけさ」
俺の首に腕を回して自ら口付けた。腰に手を置いて支えてあげて、椅子に押し倒した。ゴッといい音が鳴って涼野が頭を押さえた。押し倒した場所がちょうど肘を掛けるところだったみたいだ。暗くてよく見えないから当たってしまった。
「だ、大丈夫か?涼野」
「い、痛い……ばかぁ」
それから頭にたんこぶが出来た涼野の頭を撫でてあげた。気付いたら涼野は眠っていて、俺も眠気が押さえれなくなって静かに瞼を落とした。夜が明けたら隣には涼野のぬくもりしかなかった。



最後だから悪戯させてね



20100530
結局何が書きたかったのかは謎。
ずみまぜんー!
きっと風涼が書きたかったのよ!←
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