むすっと頬を膨らませてクッションを抱き締める涼野に先ほど買いに行ったコンビニの袋が行き場をなくした。俺が買い物に行っている間に涼野が座るソファーの隣はすでに南雲とヒロトに取られていた。ちくしょう、ずるいな。
「涼野、機嫌直してくれよ」
「アイス」
「ああ、買って来た、買って来たから機嫌直してくれ」
後ろに回ってこしょこしょと涼野と話していたら隣で漫画を読んでいたヒロトが目を向けた。
「おかえり緑川、俺のは?」
「え、ああ、一応みんなの買ってきた」
ヒロトに袋を渡せば中にあるアイスを涼野と一緒に物色していた。肩が密着してヒロトと涼野の距離が近い。
「だー負けた、こいつ強ぇ」
テレビゲームに夢中だった南雲が一息ついたようにソファーにもたれてきた。画面にはゲームオーバーの文字。しかももたれたと同時にソファーがずしりと音を立てて南雲が涼野に腰を回した。ああ、そこは俺が狙っていたのに。
「風介、あーん」
「……あん」
しかもヒロトがアイスを涼野にあげている。そ、それも狙っていたのに……つくづくこの二人は俺の障害だ。ていうかあん、ってなんだあんって!ヒロトを誘ってるんだな?ああもう、ヒロトが顔を真っ赤にして悶えてるじゃないか。
「風介、ふーすけかわいいよはあはあ」
「ヒロト息が荒いぞ寄るな」
ヒロトの顔を足で押さえて涼野が南雲に背を向けてもたれていた。俺がむうっとふてくされて見ていたら南雲が溶けかけたアイスを手にとって涼野の顔面にぶつけた。グチャ、とリアルに冷たい音が出た。涼野はぴくりとも動かず停止していて、ヒロトはおかしそうに苦笑いをしていた。
「アイスでぐちゃぐちゃの風介うまそう」
「死ね!ノーザンインパクトォォッ!!」
鳩尾に見事に入った涼野の蹴りで南雲がソファーから吹っ飛んだ。ついでにヒロトの顔面に涼野からのアイスがプレゼントされた。
「や、八つ当たり……」
「だな」
ショックを受けているヒロトに内心ざまあみろと笑ってやった。
「緑川、拭け」
洗面所に走って行った涼野を追いかけた。そしたらまだアイスの残るベタベタの顔で俺を睨んできて、タオルを投げた。俺は今いろいろと機嫌が悪くて乗り気ではなかったからタオルを床に捨てた。
「俺が舐める」
「は?……やっ」
腕を掴んで頬に付くアイスをべろりと舐めとった。バニラ味で甘い、吸い付けば高い声をあげて涼野は頬を染めた。
「妬くな……ばか」
「うるさい、妬くのが当たり前だ」
涼野の唇に噛み付けば、くすくすと俺をからかうように笑った。



まだ意地を張ってるんだ





20100515

やきもちな緑川いいよね。
南雲と基山に適わない緑川楽しいw
てか緑川パシリ^p^
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