カタン、床に落ちている物が足に当たり音を立てた。涼野くんが驚いて僕に振り返り、怪しむように見つめてきた。それに口元をゆるませる。
「来てくれたんだね、涼野くん」
「やっぱり君だったんだ。あの手紙」
「読んでくれたのかい?」
「何故あんなモノ……」
ポケットから僕が送った手紙を涼野くんが取り出した。くすりと笑えばビリ、と涼野くんが僕の目の前で手紙を裂いた。冷たくて鋭い目付きが僕を見つめる。
「帰る」
破られた手紙を踏み付けて涼野くんは部屋を出て行こうとする。腕を掴めば涼野くんは足を止めた。
「すきだよ」
「馬鹿だね……私は君を好いたことな、ど!?」
涼野くんの腕を引っ張って入口の扉に押し付けた。別に返事なんていらない。けほ、と咳き込む涼野くんを軽く笑った。
「僕はさ……君の声がすきなんだ。君の鳴く声が」
「私の、鳴く声……?」
「営みで聞いた君の声を、もう一度聞きたいんだ」
「……覗き」
目を見開いた涼野くんはかっと眉を吊り上げて僕に体当たりをした。押し倒された僕は少し驚いたけど、馬乗りになって僕を睨む涼野くんに余裕の笑みを向けた。
「貴様ッ!だから私をここに呼び出したのか!何が目的だ!私と晴矢の邪魔は許さない」
「目的なんかないよ、ただ君の鳴く姿を見たいだけ」



甘い罠で愛してあげる



涼野くんの流れる涙を舐めて、口元まで猫のようにぺろぺろと舌で煽てる。声を出さないように唇を噛み締めるから首筋に手を伸ばして指先でなぞった。涼野くんが喉を鳴らした。
「う、やめ」
「涼野くんのそのかわいらしい声……すきだよ」
「ひゃ」
ちゅ、と首筋に唇を寄せれば肩を上げて僕を押す。僕の上で震える腰をさすって引き寄せる。ちゅっちゅと首筋にキスばかりをしていたら涼野くんは腰を抜かしたのか僕の胸に倒れた。それを見計らい逆転して僕が涼野くんを押し倒した。顔を赤くしてつらそうに目を瞑って、また悔しそうに涙ぐむ。
「誰にも言わないさ、君と南雲くんがそこまでの仲とはね」

ただ、僕に甘い愛をくれるなら。





20100515

照美脅し^p^
くん付けだと萌えw
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