掃除場所が変わったみたいだ。私は前は晴矢と同じだったのに、今は別れてしまった。晴矢とヒロトは同じだったみたいで、少し羨ましかった。
二人とも掃除場所に行ってしまったので、私は孤立してしまった。でも別に慣れていたので、私は普通に帰る支度をする。周りでは箒を持って掃除をする者や雑談を楽しむ者も居たが、私はどれでもなかった。
必要なプリントをファイルにまとめて荷物を鞄に丁寧に入れたら、もうすることがなくなってしまった。掃除なんて真面目に私はやってられないから私は教室を見回した。前までは晴矢が隣に居て、一緒に掃除をサボっていたのに、なんだか心細い。
「涼野」
呼ばれて振り返れば長い艶のある髪をした風丸が居た。私が瞬きをして見つめたら微笑まれて肩を抱かれた。戸惑いながら私は風丸に連れられ円堂達と一緒に居ることになった。
しかし居づらいのは私だけか、円堂や風丸に豪炎寺は盛り上がっていたがなんとも私には慣れないものだった。
「なあ、俺の髪さ」
「え?」
不意に隣に居た風丸が私を覗き込み、自分の長い髪を触っていた。男のくせに髪を伸ばすなんて、変だとは思ったが風丸なら違和感はなかった。
「俺の髪さあ、まだらだと思うか?」
「別に、そこまでは……」
「だよな。それに涼野の髪はふわふわしててなんかいいな」
「え、そうかな」
「ああ。髪の色綺麗だし羨ましい」
すると風丸が私に手を伸ばして髪に触れた。なんだか撫でられてるみたいだったけれど逆に照れ臭くなってしまう。
円堂と豪炎寺も今度は二人で盛り上がって、私と風丸で二人づつ別れていた。私も風丸の髪に手を伸ばせば、さらさらしていて指通りがよかった。風丸が小さく微笑んだのが見えた。
「あ、晴矢」
掃除から帰って来た晴矢とヒロトは一緒に教室に入り、すぐに私のもとへ走って来てくれた。どさくさに紛れて晴矢に抱き締められ、私は寂しかったとつい本音がこぼれてしまった。



20100408
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