「それでね、その子守っていうんだ」
いちいち楽しそうに笑いながら話すグランに適当に相槌を打った。最近地球で知り合った守だとか円堂だとか私には全く関係のないことをだらだらと話す。バーンは椅子に掛けて眠っているし、聞き手は私しかいない。はあ、と大きくため息をついてグランの話を聞いているフリをする。くだらない、地球に行ったってなんのメリットもないだろう。
「ねえ、ガゼルも行ってみない?地球にはおいしいデザートもあるんだよ」
「へえ……まあ暇潰しにはなるだろうけどね」
ちなみにグランが奢るなら、と付け足したけどグランは笑顔でいいよ、と言った。
「じゃあバーンが居眠りしてる間にこっそり行こうか」
「フフ、それはいいね」
未だ椅子にもたれて口を開けながら眠るバーンを流し目で見て、グランと共に地球に向かった。



「はい、アイス」
「ん」
人間の姿になったグランと私は私服で町を歩いた。ヒロトの奢りでアイスを買ってもらい、バニラとソーダの二段アイスを上のバニラからかじった。甘くておいしい、嬉しそうに食べていたらヒロトに手を引かれた。雷門イレブンを見に行こう!なんて楽しそうにして、別にヒロトが守って奴を見たいだけなんだろう。仕方ないからアイスに免じて私も付き合ってあげた。
「ほら、あれが守!」
「どれ?」
「あのバンダナ付けてるゴールキーパーだよ」
あいつか、なんだかすごい大声で気合い入れてる。ヒロトが目を輝かせてそいつを見て、うっとりしていて気持ち悪い。たまたま目に入ったヒロトのお気に入りに肩を組む人物。楽しそうに笑って、真剣な顔でボールを追い掛けて、まるで汗が輝いていた。ずっと離さずに見つめていたら視線が合って、私は急激に恥ずかしくなった。更に心臓が飛び跳ねて、慌ててその場から逃げた。食べ掛けのアイスが地面に落ちた。雷門イレブンに見付かった。あいつは誰だ、頭から離れない、胸が熱い。
「風介!どうしたの?いきなり走って」
「ご、ごめんヒロト」
「大丈夫?そろそろ帰ろうか」
「あ、ああ」
もう少し見ていたかったなんて、きっと気のせいだ。

ドキドキが止まない

もしかして、一目惚れ?



20100502

風丸すきー!
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -