配られたプリントを後ろに回し、机に置いてシャーペンを握った。鐘が鳴るまで頬杖をついて待っていたら、隣の席に居るヒロトが私を見た。
「これ、課題テストだよね」
それに頷くと、後ろに居た晴矢が嫌そうな顔をした。予想はしていたが、ヒロトが宿題をしたかと聞けばやはりしていない、の一言だった。後からだるい、だの面倒くさいだのと毒づく晴矢を余所に、テストの開始となる鐘が鳴った。
プリントを裏返してテストに取り組む。内容はほとんどが宿題に出されたものだから私には簡単だった。
眼鏡を指で持ち上げてシャーペンをカチリと鳴らす。ふと視界に入った隣のヒロトは、開始3分で珍しく机に伸びていた。私はそれに気を取られていたがすぐにまたプリントと向き合った。
ヒロトが開始3分なら晴矢はきっと名前を書いてすぐだろう。私の後ろの席からは字を書く音が全く聞こえない。やはり寝たのか、思わず溜め息がもれた。


残り時間はまだあったが、私は答えを充分に埋めたので眼鏡を取って机に突っ伏した。ヒロトを横目で見れば今度は問題用紙にシャーペンを滑らせていた。何を書いているのか気になったりはしたが、なんとなく予想はついていた。
終了の鐘と共に晴矢がだらしない溜め息をついた。散々だったのだろう、課題をやれば覚えれたのにもったいない。
「ね、見て見て」
問題用紙に書かれていたのは『守大好き愛してる』『僕と守は世界一ラブラブ』吐き気が出るくらいの愛の告白を敷き詰める程にヒロトは書いていた。予想は的中だ。



20100408
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