「いやー勘違いだったなんて」
先程の睨みは何処へ行ったのか、ヒロトが私の友達だと説明すればこの子はけろりと態度を改めて笑った。苦笑いを含めて頭を掻きながら面目ない、と呟く。
「お騒がせしました……あはは」
ヒロトに軽く頭を下げて、丁度バスが学校の前に着いたところで彼は慌てて降りて行った。私達もバスから降りて、走っていく彼の後ろ姿を見ていた。高い位置で縛られた髪が揺れて、抹茶色した髪の毛が跳ねていた。
「驚いたよ、まさか昨日から見てただなんて」
「これに懲りたらやめるんだね、ヒロト」
「えー」
隣でいじけるヒロトを余所に未だ歩きながら眠っている綱海に呆れた。病み上がりだから疲れているのかもしれない。やっぱり綱海の熱は私から来たものだろう。結局移してしまった。




「てめえヒロト!なんなんだあのメールはぁ!?」
綱海と別れて教室に入るなり私の隣にいるヒロトに指を差して怒鳴る晴矢。私がびっくりして固まっていたら横でヒロトがくすくす笑う。
「なんてメールしたんだ?」
「え?あのね……」

『君のラブリーハニーは僕が預かったよ!悔しかったら早く学校に来てね!』

その画面を見て私はため息しか出なかった。ヒロトがまた携帯を見せてきて、私も仕方なく覗いた。

『俺の風介に手え出すんじゃねーぞ!覚えてろよヒロト!』

少し胸がどきりとした。晴矢を見れば未だヒロトに対して怒ってはいたけど、そんなことを言ってくれるなんて思ってもみなかった。嬉しくてつい顔がゆるんだ。



「あれ?」
風丸が私を見て首を傾げる。私も吊られて傾げれば、風丸は複雑な顔をしてヒロトの方へ走って行った。なんなんだ?風丸を見ていたけど、今から体育だから私はすぐに目を離して着替え始めた。

「やっぱり……ヒロト」
「なんだい?」
「おまえ、風介と同じ香りがする……」
「ああ、シャンプーのこと?」
指を髪の毛に絡めて言えば風丸は眉を垂らして瞳を揺らした。動揺してるのが丸見えな風丸を俺は黙って見た。ああ、そっか、やっぱり風丸は風介が好きなんだ。
「俺ね、風介と一緒に朝まで寝たんだ。寝顔見るの楽しかったよ?」
わざと逆上させようとすれば風丸は更に動揺した。さて、追い詰められた彼はどんな行動をするのか楽しみだ。
風丸の瞳は微かに震えて、闇に溶け込むように瞳の奥は濁っていった。もしかしたら、俺よりも彼が一番危険な気がする。



20100422
闇丸さんろー^p^

あれ?普通の風丸にする予定が闇丸化しちゃった…
でも闇丸っておいしいよね。
風丸は追い詰められると何かに手を出しちゃうよねきっと。
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