授業が終わったあと、私と豪炎寺は保健室に来ていた。といっても私は引っ張っられて来ただけで、豪炎寺は保健室に入るなり引き出しを開けて何かを取り出した。
「先生が居ないけど、丁度いい。ほら、首」
「く、首?」
「絆創膏だ……一応、これで隠せ」
渡されたけど、どう首に貼ればいいんだ。それに気付いてくれたのか、豪炎寺が私から絆創膏を取って首筋に優しく貼ってくれた。ありがとう、小さく言えば頭を撫でられた。
「ずいぶん……付けられたな」
「そう、なのか?」
「ああ、歯形もあるし、所々キスマークばかりだ」
「……な、」
驚くよりも私は恥ずかしくて声が出なかった。歯形は絶対に晴矢だとして、所々は多分アツヤだろう。場所関係なく舐めては吸われたから。
「吹雪だけじゃないな?」
言われて渋々頷く。晴矢か?と簡単に見透かされたからそれにも頷いた。
「じゃあ、晴矢と吹雪にはなるべく近付かないこと」
「え?」
「わかったな?」
「……わかったよ」
晴矢とは通学も一緒だけど、なるべく、程度だから通学くらいは別にいいだろう。それに豪炎寺が優しく口元を緩ませ、私の頬に触れた。
「前は、ごめんな」
「う……い、いや、別に」
「許してくれるか?」
「それはもう、気にしてない……から、ゆ、許す」
豪炎寺が私の額に唇を付けて、軽いリップ音が鳴った。ありがとう、小さく口を開いた豪炎寺の言葉を私は逃さなかった。




「風介、今日は一緒に帰ろうぜ」
久々に部活は休むと言って晴矢は私の腰に手を回した。その、近過ぎないか?
私が返事に困っていたら豪炎寺がダメだ、と言い張った。それに晴矢もむっと唇を尖らせる。
「南雲、おまえ襲っただろう。涼野は基山か風丸と帰った方がいい」
「え?襲った?」
「基山、涼野と帰れるか?」
「うん、もちろん」
豪炎寺に言われて私はヒロトと帰ることになった。私は別にいいのだけど、晴矢は納得がいかないみたいだった。未だ小言をぶつぶつ呟いている。
「まあ……確かに風介泣かしたけどよ、……ヒロトは危ないんじゃ……」
「大丈夫!俺に任せて、晴矢」
「あんたが一番危険な気がするんだが……」


「気を遣わせたみたいだね、豪炎寺」
「気にするな。おまえも円堂も、俺が守る」
「あ、ああ……ありがとう」
目を細めて私の頭を撫でる豪炎寺の手は、優しくて暖かくて、大人びて見えた。



20100417
豪炎寺のターン?
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