「さあ、行くぜ!」
「無理に決まってんだろ!」
晴矢の自転車の二台に私が座り、その後ろに綱海が立ち、晴矢が運転。3人乗りなんて危ないのに、綱海はノリノリだ。ため息をついた晴矢はペダルを踏んで漕ぎ始める。
危険な道のりだ。私が必死に晴矢に掴まると、晴矢も必死に脚力を入れて漕ぐ。綱海はまあ、やはり笑顔は耐えずに私の肩に手を置いて立っていた。




「死ぬかと思ったぜ……」
無事学校に着いた私達は下駄箱まで歩いていた。隣で晴矢が未だに覇気を捨てて死んだように私と綱海の肩に手を回してふらふらと歩いていた。よく頑張ったと思うぞ晴矢、口には出さないがな。
「お疲れさん、南雲!」
笑いながら晴矢の背中を叩く綱海はまだまだ元気が有り余っていた。私も晴矢に言った方がいいのかなと考えて、ありがとう。と言ったら晴矢は目を見開いて今まで以上に驚いていた。
その驚き方に私もびっくりしていたら晴矢は私から顔を逸らして無口になった。何なんだ、人がせっかく礼を言ったというのに。
「あ、じゃあ俺こっちだから、またなー!」
下駄箱でスリッパに履き替えて綱海と廊下で別れたあと、私と晴矢の二人で教室に向かった。
「晴矢、」
無視。蹴り飛ばしたい気持ちを押さえて私は口を閉ざした。こいついきなり不機嫌になって訳がわからない。晴矢が途中でトイレに向かったので私もついて行った。
入り口に入った瞬間に手首を強く握られて中に押し込められた。いきなりのことに頭がついていけなくて、晴矢を見たらそれはもう怖いくらいイラついてた。
「晴矢、何をイラついている」
「……っれが」
「は?」
「くそったれが!おまえ、寝やがったな!昨日だ、絶対昨日だ!俺が看てた時にはなかったぞんなモン!」
「何の話だ晴矢、とにかく早く教室に入らなきゃ遅刻になる」
「の野郎……!」
私が携帯を出そうとポケットに手を入れたら背中を壁に叩き付けられた。ドンッと音がして痛みに目を細める。晴矢が怒ってる意味がよくわからない。
「晴矢、いい加減に……」
蹴ろうとしたらワイシャツのボタンが一気に弾けた。晴矢が力でこじ開けて乱暴に壊した。だから、何なんだいきなり。
「これよ、あいつだろ?綱海」
「……綱海?」
「キスマークだよ。おまえ、マジでムカつく」
晴矢は乱暴に私を押し倒した。こんな狭いトイレで押し倒されれば頭も打つ。ぶったところが痛い。だけど痛い頭でキスマークの原因の考えをめぐらせたら、朝の綱海との戯れ合いで出来たことだと理解した。



20100415
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