携帯のアラームで目が覚める。今日は学校に行かなきゃ、と身体を起こすと隣には口をだらしなく開ける綱海がいた。そういえば昨日泊まっていったんだった。
だからいつもより暖かかったのか、私は綱海の頬をつついて、そのあとぺちぺちと手で叩いた。気持ちよさそうに寝ているところ悪いけど、綱海も遅刻しては駄目だ。
んが、と声をもらして綱海は寝返りを打つ。背中を向けられた私は何故か無性に腹が立って蹴りを入れた。もちろん、綱海はベッドから落ちた。
「……んん?あれ、もう朝?」
「そうだよ。遅刻するから君も家に帰ったら」
意外とけろりとして綱海は起き上がり、またベッドに座る。私は掛けていた制服を手に取り、パジャマのボタンを外す。
「なー風介」
「何?」
綱海を見れば手招きをされるから、私は言われるままに近寄った。そしたら自分の膝の上で手を叩くから、乗れということなのか、私は眉を寄せて綱海を見た。まぶしい笑顔で手を引かれる。
膝の上に座らされ、しかも真っ正面なんて恥ずかしくて直視出来ない。綱海がいいように笑ってる気がする。
「いた、っ」
ぢゅ、と綱海が私の首筋に顔を埋めて吸った。舌で濡らして、また肌を吸う。くすぐったくてピリピリと痛んで、変な感じだ。綱海は猫みたいに私の首筋を舐めては吸って、遊んでいた。
「ん、終わり!こんなもんか」
「……何がしたかったの」
「跡」
「え?」
玄関からピンポンが鳴って私は脱ぎかけのパジャマを脱いで、制服を羽織った。晴矢にしては早すぎないかと扉を開いた。
「よ!風邪は?」
「……ああ、だいぶ楽になったよ」
「俺のおかげだな」
「晴矢の?フフ、まあ少しはね」
「んだと」
玄関の入り口で話をしていたら、綱海が部屋から出て来て朝飯を作り出した。しかも大声で卵焼きと目玉焼きどっちがいいかと聞いてきて、私は別にいいのだけど晴矢が驚いた。
「まさか泊まったのか?」
「……そのまさか」
「はああ!?ふざけんな!」
「私は至って普通だ」
「俺も入る!」
「ちょ、晴矢」
靴を脱ぎ捨てた晴矢はどかどかと家に入る。私も慌てて玄関を閉めて追えば、晴矢はふてくされていた。綱海が台所で朝飯を作っているのが気に食わないのか、そればかりを見ている。
「チッ」
しかしこのあと晴矢は朝飯をもらい機嫌をよくした。もう、この馬鹿は扱い易いのか難いのかわからない。



20100415
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