ようやく晴矢が帰った。かと思いきや、またの来訪者に私は更に頭が痛くなった。
「よー風介!学校休んだんだって?大丈夫かぁ?」
「まあね」
今度は私の部屋を綱海が占領しに来たらしい。学校帰りの綱海は未だ制服だ。私がベッドに座っていたらいきなり寄ってきて、おでこを触ってきた。
「ん、まだ熱いかもな」
「うん……」
「寝てなくていいのか?」
「君が居たら寝れないよ」
「そっか!じゃあ一緒に寝るか!」
「は?どう解釈したらそうなるんだ、わっ!」
私の言い分なんて聞く気もなく、綱海は一緒にベッドへとダイブした。後ろからぎゅうぎゅうと抱き締められて、余計に身体が熱くなる。
「別に泊まってってもいいよな?家隣だしさ」
「うん……いい、よ」
「おやすみ風介」
それから晴矢の所為でまったく眠れなかった時間を取り戻し、私は眠った。綱海は安心する、だから嫌いじゃない。



首筋に何かが触れて、なぞられ、ぞくりと身体が震えた。微かに目を開け、あれからどのくらい眠ったのだろうかと考えていたら上半身が寒くて身震いをした。気付けば私は何も着ていないじゃないか、どういうことだ。
「あ、起きた」
「綱海!?こここっこれはどういう……?」
「いやだって風介汗べたべただったからよ、拭いてやろうと」
「なんだそれだけか」
「え?既成事実とか欲しかったのか!?」
「いらないよ!」
枕を綱海に投げ付ければひょいと避けられる。パジャマを探してもない、だから布団にくるまった。
「あ、風介、まだ拭いてねえぞ」
「いいよ、自分で拭ける」
「遠慮すんなって!ほら、布団はいだはいだ」
べりっと簡単に布団を剥がされると綱海は私の上に馬乗りになる。少し、おかしくないか?
なのに綱海は何食わぬ顔で私の身体を蒸しタオルで拭いていく。私も黙っておとなしくしていたが、ズボンに手を付けられた時は綱海に蹴りを入れた。
「ば、馬鹿者!下はいい!」
「綺麗にしなきゃいけねえぞ、な?」
「いいいぃ!」
「ったく、わかったわかった。じゃあ今日は、一緒に風呂に入ろうな!」
「私は病人だ」
「昔は一緒に入っただろー?」
「記憶にない」
「……イケナイ遊びもし、」
「黙れ!黙らなきゃ今日は泊まらせないぞ」
「よしわかった!」
結局、綱海は私の家に泊まっていった。でもやっぱり懐かしくて、嬉しかった。綱海に熱が移らなければいいんだけれど。



20100414
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