「本当、君達はライバルだね」
言われた言葉に二人して顔を上げれば、ほらねと苦笑いでヒロトは笑った。ライバル?確かにそう言われれば私と晴矢はライバルなのかもしれない。
今だって折っている折り紙で私は苦戦しているのに晴矢は楽しそうにうさぎやチューリップを折る。私は別に折り紙なんて出来なくてもいいけど晴矢に負けるのは腑に落ちない。
「フッ……晴矢が?」
「まあ確かに風介に負けるのは嫌だな」
私が適当に青い折り紙を折れば、晴矢は赤い折り紙を手に専用の本を見ている。何が楽しくて折り紙なんてやらなければならないんだ。私は心中悪態をつくと歪な形の折り紙を放り出した。大体、料理が出来ればこんなもの必要ない。晴矢とヒロトが楽しそうに折り紙を折って、なんだか私は取り残された気分だった。
「ほら、出来たぜ風介!」
「ふうん」
差し出された折り紙はころころと晴矢の手のひらで揺れ、空気の入ったそれは軽かった。隣でヒロトが酸素を入れようと折り紙に空気を入れ込んでいた。
これはうさぎ風船らしい。凄いだろうと威張る晴矢にこの手の中にあるうさぎを握り潰してやろうかと考えたが、晴矢はすぐに怒るからやめた。その代わり机に転がした。
「晴矢に出来て風介に出来ない、風介に出来て晴矢に出来ない。これの繰り返しだね」
笑い掛けたヒロトに、また私と晴矢はきょとんと目を丸くした。やはり私達はライバルで、似た者同士らしい。



20100408
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -