昨日に続けて体育はまた体力作りで、準備体操の時に豪炎寺と肩が触れる。なんて気まずいことをしてしまったのか、でも時間は戻る訳はなく豪炎寺との間に嫌な雰囲気が出る。
ランニングでみんなが走りだし、私も後を追うように走った。ヒロトは嫌だ嫌だとだらしなくしていたが、豪炎寺に捕まって一緒に走っている。晴矢はもう先に行ってしまい、私も自分のペースで進んでいたら後ろから来た風丸が私の隣に並んだ。
「大丈夫か?」
「ああ、まだね」
それから風丸とはペースが合っていたのかゴールまでずっと一緒に走っていた。先にゴールに着いた晴矢が床に座り込んでいて、私もその近くに腰をおろした。しばらくしてからヒロトが滑り込みながらゴールして、私と晴矢の間に来ては倒れた。
「ああもう、疲れたぁ」
寝転ぶヒロトを枕にして私は目を瞑ると、上から晴矢が息上がりすぎだろ、と笑っていた。



教室に戻り制服に着替えていたら、風丸が私の机にある指輪に気付いた。晴矢のだろうか、風丸と一緒にまじまじと見ていたら手を握られて、指にはめられた。
「結婚式みたいだな」
「な、」
もう一つの指輪を取ると、風丸は私の薬指にする、と指輪を通して進めた。やけにその時間が長く感じる。ドキドキして風丸を見上げれば、風丸は指輪に微笑んでいた。その表情にドキリとする。
「涼野とか……ふふ、これが本当になったらどうする?」
「ば、馬鹿を言うな」
「俺は、構わないんだけどな」
長い髪をさらりとさせて、風丸は笑う。その顔は卑怯だ、私が女ならきっとイチコロだろう。
「それで?やっぱり吹雪とは、」
「……う」
「だろうな、そうだと思ったよ」
「い、いきなりだったんだ」
慌てて否定すれば、風丸はやっぱり笑顔のままで、私の頭を撫でてくれた。本当に風丸は面倒見がいいと思う。風丸は私の指に通っている指輪に触れると、目を細めた。
ドレスは俺と涼野、どっちが似合うだろうな?困った風に私と指を絡めて、強く握った。



20100413
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -