喉が痛くて目が覚めた。ずきずき、キリキリ、喉が腫れて痛い。風邪だろうか、でも休むことは出来ないから私はパジャマを脱いで制服を着た。晴矢が来る前に準備をしなくちゃいけない。
朝食を軽く取って歯を磨いた。そろそろだ、私はピンポンの音で鞄を握った。



教室に着いて第一声、喉が痛い。風邪か?と聞いてきた風丸に頷いて、のど飴があるのかを聞けばないと言われた。風丸なら甘いのど飴を持っていると思っていたのだが、期待しすぎていたみたいだ。
仕方ないので自分で持ってきたのど飴を出す。これはミント味じゃなくてハーブたっぷりだけど、まずそうだ。口に入れればやはり私の舌には合わず、吐き出そうとティッシュにくるんだ。
もったいない、とヒロトに言われたが構うものか、私にはまずくて舐めてられない。
「吹雪は?」
「休みみたい」
まさか風邪か?昨日のキスで私に移ったとかだったらそれはかなり迷惑だ。未だに喉は痛いし、治る感じもない。今日はついてない気がした。
一限目は英語で、豪炎寺はまた先に行ってしまった。同じメンバーなのは豪炎寺だけなのに何故私を置いていくのか、はたまた忘れているのかはわからないがさすがに傷付く。
私がおろおろしていたら、晴矢がまた途中まで送って行ってくれた。ああもう、晴矢に迷惑を掛けてしまった。情けない気持ちと、豪炎寺に対しての不安が募ってきた。

「あれ?風介じゃねえか」
「……綱海」
「どうした?なんで一人なんだ?」
「あ、……別に」
「情けない面してんなー、何かあったら言えよ?」
「ん……ありがとう」
廊下ですれ違った綱海に頭を撫でられた。綱海は優しい、昔から近所だったから私の面倒をよく見てくれた。綱海が同じクラスだったらよかったのに、そしたら私はきっと綱海から離れないのに。

教室に入れば豪炎寺がバツの悪そうな顔をして口籠もった。
「その……すまない、涼野」
わかってはいた、ただ単に忘れていたとはわかっていたが、私には腹が立つばかりで、つい豪炎寺を無視してしまった。返事も返さず許しもせず、私は椅子に座った。



20100413
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