いつものように晴矢と登校すれば珍しく教室は静かになっていて、がらんと椅子が空いていた。円堂に聞けば、今日は豪炎寺は休みらしく、しかもまだみんな来ていないらしい。
だけどしばらくしたら吹雪やヒロト、風丸もやって来て教室はすぐに騒がしくなった。
「おはようヒロト」
「ああ、おはよ」
隣の席に着くと、ヒロトは今日のバスは凄かったとうなだれて言う。すると軽く身震いをして、寒いと呟いた。
「私は平気だけど」
「う〜でも今日は寒いよ!」
私の方が薄着なのに、ヒロトは寒がりみたいだ。うるさいので私が抱き付いて暖めてあげようとしたら腰に手を回されてぎちぎちと力を込められ、つい背中が仰け反った。
苦しいから離れようとすれば、ヒロトはくんくんと犬のように鼻を寄せて、私の匂いを嗅いでいた。するとヒロトは嬉しそうな顔をして、いい匂い!と笑った。
「あ、俺は?」
「晴矢はいつもと変わらないよ」
私が晴矢に寄って首元の匂いを嗅げば、晴矢も私の背中を掴んでくんくんとお互い自分達の匂いを嗅いだ。晴矢はやっぱりいつもの匂いだったけど、少し汗の臭いもした。
するとヒロトがいきなり横で吹き出して、私達を見て笑いだす。不思議に見ていたら、それに気付いたヒロトがあり得ないことを言った。
「恋人同士みたいだね」
それに顔を赤くした私に、晴矢も私から離れて頬を染めた。ヒロトのからかいに照れてしまった。



今日の一限目は国語、しかもこの担当の先生が厳しいときた。小テストで満点を取れなきゃ反省文らしい。どれだけ私達を追い込む気なのか、だけどこの小テストなら満点も私にとっては容易いだろう。
しかし後ろの奴は反省文と小テストを聞いてあーだのうーだのと文句をついている。私はそんな晴矢を無視して反省文という馬鹿げた物をやらない為にも残り時間で勉強した。
先生がプリントを取りに帰って来てすぐにテストは配られ、みんな受け取った。晴矢は未だにふてくされていた。小テストには先程暗記した漢字を書き、読み仮名を書き、すべて埋めた。
前後左右で交換して点数を付ける。私は晴矢と交換したので、晴矢のをマル付けすることになった。マル、マル、バツ、バツ。一問でも間違えた時点で終わりだ、この馬鹿め。
私が赤ペンをしまい晴矢にテストを返せば、ああ、と困った顔をしていた。返ってきた私のテストはもちろん満点、反省文はなしだ。
「おまえ、天才だな」
小テストの内容は中学生でも出来る物なのに、晴矢の頭の悪さに私は溜め息をついた。



20100412
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