痛いやつ


ユニフォームを脱いで各自終わろうとしていた時だった。後ろに居た鬼道が一之瀬、と呼んだ。俺は気にせずに制服を腕に通してボタンを付ける。
「どうしたんだその傷は、練習でもこんな風にならないないぞ」
ゴーグル越しに眉をひそめる鬼道の瞳は心配そうだった。ユニフォームを脱いでいる途中に発見した歯形や紫の痣が痛々しくて見るに耐えないと言った感じで鬼道は口を押さえた。円堂も不自然に一之瀬の背中を見て悲しそうにしていた。痛くないのか?と聞いている。大丈夫さ、あいつは痛くなきゃいけないんだから。小さく笑みをこぼすと豪炎寺がピクリと眉を上げて俺を見た。
気付かれたところで俺はなんともない、むしろ聞いてやれ、喜びを表すのはあいつの方だけどな。
「平気だよ!みんな大げさだなあ」
愉快に一之瀬が笑うと鬼道はそうか、と苦笑いをする。円堂もそれならいいと笑顔で納得していた。俺は鞄を肩に掛けて先に部室を出た。豪炎寺が未だ俺を見ていることに気が立ってきた。
「半田!一緒に帰ろう!」
部室を出てすぐに慌てて鞄を肩に掛けて出て来た一之瀬はへへ、とはにかんだ。扉の奥で豪炎寺は驚いている。鬼道も察していたのか、更に眉を寄せていた。見ろよ、こいつは俺に惹かれてるんだ。俺がどうこうしようと勝手に付いてくるんだよ一之瀬は。
扉を閉めてすぐに俺の横に立つと幸せそうに口を開く。たわいのない話は俺の耳を通り抜けて消えた。
夕日が沈みかけてきた頃、一之瀬が俺の服をつまむ。今日は優しくして欲しい、と言われたので仕方なく首に顔を埋めてやったら喜んで腕を回してきた。いつもは獣のように噛み付く肌に、今日は甘噛みを繰り返した。
「ん……」
やっぱり、痛くして。そう言われて今度は噛み付いた。肉をギリギリと歯で痛め付けると一之瀬が快楽の混じった歓声をあげる。やっぱりこいつ変態だ。一之瀬が茂みに入り木で隠れたところでズボンを自分で下ろした。まだ慣らしてもいない後孔に挿入れろと片足を上げて一之瀬は見つめてくる。
俺はジッパーを下げると自分のを取り出して一之瀬の後孔に加減なく突き進んだ。
「あ゛っあ、ぁああ゛」
仰け反って喜ぶ一之瀬の耳に噛み付いた。俺に抱き付く力を弱めることなく首から制服の中に侵入して俺の背中に爪を立てた。俺もお返しに突き上げると一之瀬はひいひい鳴き始めた。結合部がぎちぎちと鳴り赤がしたたる。一之瀬はこれが大好きだ。そして俺はそれに喜ぶ一之瀬が好きだ。


20100321
一之瀬は気持ち悪い程のドM
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