どしゃ、と俺の目の前で転けた。ざまあみろと笑ってやれば相手は倒れた体制から俺の脚を掛けて無理矢理転けさせた。顔面から地面に落ちた。バンダナで助かったけど衝撃が痛い。
「いってー……」
「ネッパー、いつまで立ってもガキね」
「なんだと」
いつの間にか今度は俺が見下ろされる番だった。ふん、と軽く鼻で笑ってリオーネはまた配置に着いた。試合中に喧嘩売ってきやがってあの女、覚えてろよ。売ったのは俺だけど。ホイッスルが鳴るとバーン様が俺にパスしてきた。それを受け取りドリブルで上がれば俺を遮るようにリオーネが前に出た。お互いが互いに睨み合うとリオーネが一瞬見せた隙をついて俺はパスを繋げた。
「たいしたことないな、リオーネ」
「っ……」
俺が見下したように言えば、リオーネは俺の足を踏みつけた。
「いっ!!」
「ネッパーこそたいしたことないわね」
踏み逃げしたリオーネはさっさと試合に戻ってボールを追って行った。ちくしょうあいつの所為で負傷した。遠くなっていくリオーネを睨んでいたらふと気付いた。何かを庇うような妙な走り方、たぶん俺が転けさせた時の怪我だろう。何も言わないで頑固な奴だ。だからさっきリオーネの隙がたくさんあったんだ。
「……リオーネ!」
手を上げてリオーネを呼べば振り返った。来いと手招きをすればリオーネは腕を組んで嫌そうに俺に近寄ってきた。
「何……?」
プロミネンスやダイヤモンドダストのみんなが不思議そうに俺たちを見ていた。気まずい、すごく。俺が言うか言うまいか悩んでいたらリオーネがため息をついた。
「脚、痛むなら医務室に行けばいいでしょ」
何を勘違いしたのか、俺の脚じゃなくておまえの脚を俺は心配してるのに、心配してやったのに。確かに俺の脚も痛いけどリオーネの方が痛そうだ。強がりやがって女のくせに。
「……おまえが行け」
「私が行っても意味無いでしょ」
「怪我してるくせに、意地張るな!」
「張ってない。確かに痛いけど試合は出来る」
「痛いなら医務室に行けよ」
「ネッパー、女に口では勝てないのよ」
「屁理屈言うな、この変顔!」
「……」
「何だよ、口では勝てないんじゃないのか?」
「ウォーターベール!!」
「うわっこの暴力女!」


「リオーネ、怪我してるみたいだから休んでおきなよ」
「はい、ガゼル様」



大人になりましょう

(なんだよあいつ、かわいくない!)






20100620

ネパリオの練習だよ。
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