私が今必死になって書いているのはお兄ちゃんのスリーサイズ。昨日、あれから冬花さんが佐久鬼に興味を持ってくれたから一冊だけ同人誌を貸してあげた。私も代わりにとおすすめされたのがバンガゼの同人誌だった。バーンとガゼル、あの二人がくっついたらどうなるか私も少し気になっていた。机に置いてある同人誌を手に取りページをめくった。確かに、これはかなりツボです。涼野さんは自分のことを私、と呼んでしかもツンデレ属性でお兄ちゃんと同じ女王様タイプ。
「春奈、こんなところに居たのか?マネージャーの仕事はどうした」
またページをめくったらああもう定番の繋がっちゃってるシーンですね。南雲さんは荒くて攻撃的な性格をしているからがっつり涼野さんを掘ってますね。うわ、けっこういかついです。涼野さんズタボロですけど、冬花さんのおすすめだけあってもう私の胸はきゅんきゅんしてます。
「おい春奈、どうしたん……」
「っきゃああぁああああ!!?」
「な、なんだ?」
「おおおお兄ちゃん!?もう!いきなり何!?」
「いや、グラウンドに春奈が居なかったから心配……してな」
「わ、私の心配なんかいいから早く佐久間さんとヤッてきてって、あー!私なんてことを……」
「は、春奈……大丈夫か?だいぶ荒れてるな」
私はお兄ちゃんにバレてしまったのかとかなり焦ってしまったけど、よかった、同人誌には気付いてなかったみたい。苦笑いでごまかしてお兄ちゃんを強引に部室へ出した。危ない、妹が腐女子だなんて知ったらお兄ちゃんショック受けるだろうな。
「あら、危なかったわね」
「な、夏未さん……何処から」
手に大きく豪円と書かれた同人誌を持って夏未さんがロッカーから出てきた。部員の大事なロッカーを足で蹴って開けたから驚いた。というより夏未さんとロッカーの組み合わせが妙に合う気がした。
「理事長の娘である私が腐ってるなんてわかったら大問題よ。だからここに隠れてるの」
「そうなんですか……」
「もうすぐいいところなの、入口見張っててちょうだい」
「あ、はい」
椅子に座って同人誌を食い入るように見る夏未さんに頷いて、私は扉を閉めようと立ち上がった。だけどいきなり半開きの扉が開かれて、塔子さんが元気に入ってきた。
「鬼道がさ!春奈が気になるから見てきてくれって!どうしたんだよ春奈悩みでもあるのか?あれ?夏未居たっけ?」
「少し黙りなさい今エロシーンなのよ!!」

夏未さん、隠す気ないですね。



乱入ですか





20100530
夏未って純粋だけどむっつりそうw
春奈は必死だよね、きっと
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