「よしリカ、あたしにあのお好み焼き作れ!」
唐突に言い出したあたしの言葉にリカは目を丸くするだけだった。ほら、あれだよあれ。思い出そうと手を無意味に動かしてみるけど思い出せない。
こういう時、鬼道の頭が欲しいと思ってしまう。だってあいつは頭の回転がいいから。
そんなことよりお好み焼き。そう、一之瀬に食べさせたあの結婚出来るお好み焼きだ。あたしがそれを食べたいと願えば、それは簡単に切り落とされた。
「あれはウチがダーリンの為に作ったモンや」
「だからあたしにも作ってくれよ」
「ダメダメ!ダーリン限定や」
「じゃああたしがリカのダーリンになればそのお好み焼き、食べれるのか?」
「せやけどなあ、……どうしても食べたいなら作っちゃろか?」
「本当!?」
「ただし普通のお好み焼きや」
「なんだよー……」
あたしがだらりと机に突っ伏せば、リカはまた目を丸くして瞬きを繰り返す。あたしを不思議そうに見るから、あたしもリカを見た。
「もしかして、塔子はウチと結婚したいん?」
「さあ、わかんない」
「なんやそれ」
雑誌のページを一枚めくり、リカはあたしから視線を外して雑誌と向き合った。暇だ、なんだかお腹が好いてきた。
「ねーリカぁー」
「なんやぁ?」
「お腹すいたからお好み焼き」
呆れたようにあたしを見て、リカは椅子から立ち上がった。しゃあないなあ、て言ってるくせになんだか楽しそうだ。あたしも嬉しい、特別なお好み焼きではないけどな。



20100421
女の子の友情はいい\^p^/
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