息を棄てて
夜空を駆けて行きたいのだ

さあ、賽を投げて
選び進むのは君のさだめだ

なんて不要なものばかり溢れているんだろう!

血生臭い愛がお好みでしょう?

嘘は最後まで責任をとってくださいませ

もう涙さえ出ないのに

星もない空を見て何度も思う
嫌いになれたら幾分楽になれるでしょうか

しにたい
とけたい
きえたい

願望の羅列は灰になってしまえ




役目を果たした心の臓を愛おしげに掲げて頬を寄せたきみの
満面の笑みに言い様の無い不安と狂気が込み上げるのだ

両腕いっぱいに抱えたものを夜空に流して、私はそれを地上から見上げる
要らなくなったガラクタ達が煌めく夜に、一滴の涙が零れた
ああ、私は、大事なものを棄てたのだ

一つ一つが何だったのかすら解らなくなる程に速く、燃え尽きると知りもせずに弧を描いて消えていくそれは
抱えていた時には心を揺さぶりもしなかったのに
終幕を迎えるべく走り去る様は
どこまでも綺麗で、そして悲しかった

ならばいっそ二度と手の届かぬ所まで、
そうしてその果てで、
何も残さずに消えてしまえば
私ももう、思い出さなくて済むのだろうか

さらさら、夢はさようなら
駆け抜ける日々はあまりにも幸せだった




本当に大事なものは手放しちゃいけないよ、と言うのに、本当に大事なものは失ってからじゃないとわからない。掌にのせて真綿で包むように、守ることができたなら