P.2/8




私たちは賑やかなショッピングモールを歩いていた。



「混んでますね」

「まぁ日曜だからな。みんな考えること同じなんじゃねぇの?」



周りは家族連れやカップルでごった返しており、すれ違う人々の顔はみんな楽しそうだ。

そんな空間にいると、こちらまで気分が高揚してくる。


大好きな清田さんと大好きなショッピング。私は自然と顔が綻ぶのを感じた。


ふと、ショーウインドーに飾られている色とりどりのアクセサリーに目を奪われ立ち止まる。



「うわぁ…」



華美なものから清楚なものまで取り揃えてあり、どれも女性客を魅了する可愛らしいデザインだ。



「女ってそういうの好きだよな。どこが良いんだか」

「だって綺麗じゃないですか。見てるだけで楽しくなっちゃいます」



ウキウキしている私を見て、清田さんがフッと笑う。



「どれが良いんだ?」

「え?」

「買ってやる」

「で、でも…悪いですし」

「何今更遠慮してんだよ。俺が良いっつってんだから良いんだよ!」



そう言って清田さんは私の手を引き、入口の扉を開ける。


店員さんの元気な"いらっしゃいませ"と、ノリの良いBGMが耳に入ってきた。


目当ての売り場まで来てどれにしようか迷っていると、清田さんが妙にそわそわし出す。



「あのさ…俺隣の店に用あるから。戻ってくるまでに好きなの選んどけよ」



清田さんの手が離れるとともに、彼の足は再び入口へと向かう。



「あっ、あの…」

「すぐ戻るよ」


(行っちゃった…何か買うのかな。……あれ? そういえば隣の店もアクセサリーショップだったけど、ここで買うんじゃ駄目なのかな?)



疑問を覚えつつも、私はいくつかのネックレスを手に取った。



(うーん…どれも可愛い)





[*前] | [次#]




キミふわTOPに戻る


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -