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「はい注目!明日は大学が休みだし、この後DVD鑑賞をしたいと思いまーす!!参加者は…っと美月ちゃんは強制参加でーす!!」


「ちょ、桜庭さん!?」




夕食後、うつらうつらしてる俺の耳にサクさんの声が響く

うるさい…
さっさと部屋に戻って寝ようと思っていたら


"美月は強制参加"と聞こえてきて

チラッとサクさんを見遣ると右手に持つDVDが目に入る


典型的なホラー映画
髪の長い女が井戸から出てくるやつ


ニコニコしながらサクさんが


「美月ちゃんはここに座って」


ポンポンとソファーを叩く




「僕も見まーす!!」

翔吉も続けて返事をする



「映画鑑賞なんて久しぶりだし、じゃあ俺も」

カズさんもゆっくりとリビングに近いてくる


「カズ兄も参加するのかよ!」


しかめっつらのキヨに



「別に強制参加じゃないしー創ちゃんは不参ι「だっ誰が参加しないっていいましたか!!」」


慌ててソファーにドカッと座る

あ、何気に美月の横に座った…




「えーっとじゃあ、ちーちゃんは…あっともう座ってるし」


言いながら俺の方を見るサクさん


「文ちゃんはもう寝る時間だよね」


ニヤッと笑いながら美月の横に座ろうとする


その光景に

「見る…」


呟くとサクさんを押しのけて美月の横に体を埋める



「ちょ、文ちゃん!!」


文句を言ってたけど関係ない


キヨが反対側にいるのもホントは嫌だし

ましてやホラー映画とくれば絶対部屋を暗くする

美月は怖がりだから…サクさんの魂胆がすぐに分かる


そして、みんなも…






ダメ!!
絶対ダメ!!

美月は俺のだから


ギュッと美月の腕に自分の腕を絡める



「く、栗巻さん!?」

映画は既に始まっていて俺の耳元で囁く美月

すごく心地好い声



「美月、怖がりだから…」


呟きながらまたウトウトし始めて




「眠いの?」

耳元で聞こえる美月の声



いよいよ船を漕ぎはじめた俺



美月の隣は俺の場所だからーーー













「あぁぁ!!ちょ!文ちゃん!何で美月ちゃんの膝枕で寝てるんだよ!!」



「なっ///文太さん!」



「しかもしっかり腰に手、回してますよ!!」



「おい文太!?おい!」



「フッ、よっぽど美月の隣は居心地好いんだな」




「あ…///」



映画の途中にそんな会話がされてたのを俺は知らない


だってすごく柔らかっくってあったかい所にいたから


美月の匂いに包まれて


誰にも譲るつもりはない





ここは俺の
俺だけの場所ーーー









END
2010.6.16

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