パタンと、暗室の扉が閉まると、闇に身体を包み込まれる。
「じゃあ、ここは俺と美月の専用ね」
ふいに耳元で囁きが聞こえ、同時にふわっと後ろから温かい腕に包み込まれた。
「栗巻……さん……」
「うん。……なに?」
背中に感じる熱と耳元で聞こえる呼吸。
そして、ふたりを飲み込む闇。
「美月、可愛い。今日は夜までここにいよ?」
「えっ」
「……ダメ?」
私を抱きしめる腕に力がこもり、闇に慣れた目をそっと背後に向ける。
肌が触れそうなほど近くに栗巻さんを感じて、心臓がドクンと音を立てるより早く、身体の中から熱が一気に上昇した。
「……んっ」
言葉を発するより先に唇にやわらかい感触。
そして、そのまま深い口づけに変わっていき、頭の中が真っ白になっていく。
(栗巻……さん……)
熱を感じながら、身体をくるりと回転させられ、向かい合う。
グッと腰を引き寄せられると同時に、無意識に栗巻さんの首に抱きついた。
「……美月……好き……」
息があがりそうになると、触れ合うだけのキスをしながら、栗巻さんが囁く。
熱い吐息とキスに、めまいを起こしそうになる。
「……栗巻……さ……」