最上級の愛の言葉って何だと思いますか?
好きだ。
愛してる。
結婚しよう。
ずっとそばにいてくれ。
うーん…残念ながらどれも不正解です。
正解は……
「美月」
不意に名前を呼ばれてハッと我に返る。目の前には少々苦笑いしている松本さん。
「す、すごい…」
まさかこのタイミングで恋人から正解を言われるとは。って正解も何も私がぼーっとしてたから呼んだだけなんだろうけど…
「すごいって? 何考えてたんだ?」
「えーと…」
あなたのことです、とは言えない。年中考えてる程好きだなんて、バレたらかなり恥ずかしい。
でもとりあえず察してもらおうと、言葉の代わりに彼の顔をじっと見つめる。
「…ん?」
「…伝わりました?」
「いや、全く分からない」
「あ、ですよね」
「なんで隠すんだ?」
「隠してませんよ?」
顔が緩んでしまう私に訝しげな視線を向ける彼。
言ってくれないんだな、なんて寂しそうに呟くから素直に言うことにした。
「私が常に考えているのって、松本さんのことですよ?」
それを聞いて、真っ赤に色付く彼の頬。
だけど逸らすことなく、困ったように私を見つめる瞳。
「それは…俺だって同じだよ」
「え…?」
「キミのことが頭から離れないから……落ち着かない」
そう言ってシャーペンを置くと、ふぅと溜め息をついて。
「やっぱり課題は各自でやろう」
「え?!帰っちゃうんですか?」
「あぁ…他のことに夢中になりそうだ」