骸骨は笑う
骸骨はカタカタ笑った
棺桶に脚を突っ込んで始めて
己の真価がわかるのだと
お前はどうだ?
無言のままに問い掛ける
骸骨はカタカタ笑った
夜明けの合図か
子猫の鳴き声が聞こえる
早朝の独特の色合が一面に広がり
悪夢は終わりだとばかりの禍々しい光を運ぶ
さあ
おまえはどうだ?
骸骨の言葉が甦る
次はお前の番だ
次はお前の番だ
かちかちかち
永遠に続くかと思われる絶対に狂わない音
大きな時計と
小さな時計と
アンティークな時計と・・・
無数の時計が
無数の音で
思い思いに時を刻む
永遠に狂わない音は
少しづつ少しづつ
不協和音を奏で
やがて心臓の鼓動までも軋み狂わす
あちらの世界と
こちらの世界
一つの世界が
二つに割れる
頭から真っ二つに割れてしまう訳にいかない私は
心を二つに割る
心を割ってしまうしか方法がないのなら
一度心を壊してみよう
割れた鏡を無理に繋げたら
世界が屈折するように
割れた心を繋げても
もう元には戻らない
元には戻りはしないが
鏡の中に
新たな世界が
まるで見たこともない世界が広がるように
自分自身の中にも
それは広がるかもしれない
その広がった世界は
苦渋の末に掴んだ物
それは天国か地獄か
それとも・・・
墓場の隅で
骸骨はカタカタ笑った
次はお前の番だ
次はお前の番だ
と・・・
骸骨はカタカタ笑った
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