ホスピタル・エナジー side軍嗣


 在有のおでこにまじないやと称してキスをした瞬間の在有の顔は最高に可愛らしくて、俺は柄にもなくドキッとする。その後、まるで火がつくかのようにボンッと真っ赤になった顔を見て、寝るまでそばにいてやろうと考えてたことは吹き飛んでしもた。

 早々に在有の部屋から退散して、在有の顔を思い出してはいつもの厳しい顔を崩す俺は傍目から見てある意味不気味だったやろう。

 在有の熱が下がらへんからと、食事のたびにせっせとお粥を運んで食べさせ、甲斐甲斐しく世話をする様は。

 それでも在有の嬉しそうな顔をみたら止められへん。

 重症やな……

 誰にも文句言われんことをいいことに、それこそつきっきりで看病した三日間は、極上の時間やった。

 在有の熱が下がってホッとしたのと同時に残念に思ったことを否めやん。





 もしもあの時病院へ行ってへんかったら、きっとこんな些細な幸せには気付かへんかったやろ。



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