軍嗣回想 在有と昼寝をした日


 久しぶりに学校へちょっと寄って、なんとなくバカらしなって家帰ったらちょうど在有の昼寝時間やった。

 昼寝ったって、一日の大半を寝てるような赤ちゃんやけど、お昼にミルク飲んだら絶対眠くなるみたいで帰った時もちょうどむにゃむにゃと半分寝とった。

 俺が帰ると、気配でわかんのか、うつらうつらしたままで

「あーあー」

って言って、抱っこしてくれとばかりに手を伸ばしてくる。

「在有、メシ食ったら一緒に寝よなぁ」

 わかったんかわからへんかったんか、在有はにこにこと手を伸ばしたまま遊んでる。

 眠気はどこかに行ったみたいや。

 幸せそうに笑うこいつの顔見ながら食べる昼メシがめちゃ旨かった。

 昼メシが終わったところで、在有との約束通り……てわかってへんとは思うけど、『添い寝』って言い訳で在有と昼寝しようと布団の用意をし、ベビーベッドから在有を抱き上げる。

 抱き上げる時、在有はめちゃくちゃ喜んできゃっきゃっと笑う。イヤなことが何もかも吹き飛んでしまいそうないい笑顔や。俺も自然に笑顔になり、抱き上げた在有のぷよぷよの柔らかい頬にそっとくちづける。

 狂喜乱舞ってこういうこというんかってくらいに在有に喜ばれて、俺はなんとなく照れる。

 在有を布団にそっと寝かせ、俺も横に寝転がり在有のおなか辺りを軽くぽんぽんとリズムを取ると、途端に在有の目はとろんとなる。

「おやすみ、在有」

 そう声を掛けてやると、安心したんか在有はすぐに夢の世界へと旅立ってった。

 それを見て、俺も在有と同じ夢の世界へ、目を閉じた。



終 




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