軍嗣回想 在有を抱っこした日


 俺が初めて在有を、内心バクバクして落とさんやろか思いながら恐る恐る抱っこした時、在有はキャッキャ、キャッキャと喜んで、ちいっちゃな手を一生懸命伸ばして俺のほっぺた触りにきた。

 ほんま腕にすっぽり入るくらいにちっちゃて、

『弟ってこんな可愛いんや』

って感動した。

 あんまりちっちゃいから、急に怖なって奏見さんの手に在有を戻そうとしたら、普段いっこも泣けへんのに、在有はまるで火が着いたように泣き出して、俺ほんまにおろおろした。

 奏見さんはめちゃ落ち着いてて。

「あらあら、在有は軍嗣ぉ兄ちゃん好きやもんね、もっと抱っこして欲しんやね」

 嬉して思わずギュッて抱き締めたら、とたんに泣きやんで、またにこにこする。

『うっ……可愛すぎ』

 俺は密かに煩悩? に悩まされるハメとなった……



終 




[ 2/15 ]

[*prev] [next#]
戻る
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -