軍嗣回想 在有の生まれた日


 在有が生まれた時、俺は15やった。

 親父が俺と10も離れてへんような女と再婚して、どうしたらいいかわからへんで結構ふて腐れてた。俺とその女、奏見さんとの関係は最悪やったな。

 そやけど、在有見た瞬間、そんなことどうでもようなってた。

『ちっちぇー、可愛い』

 ほとんど泣かへん。いっつもにこにこしてて、俺が指を出すと、そのちっちゃな手で一生懸命握ってくれた。

『こいつは俺が守ったる、絶対守ったる』

 密かに心の中で誓った。在有の笑顔をずっとみたいと……



終 




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