俺を好きになって *



「謙也さん」

俺は2人しかいない部室で
謙也さんを押し倒す。

「っ何、すんねん」

「うっさいすわ、俺に黙ってヤられればええねん」

謙也さんは一瞬怯えたような表情を浮かべるも、
抵抗するように身体を動かす。
俺よりでかいくせに、力ないなんて、ホンマにへタレやな。

「おい、っやめろやっ」

まあ、こんなに抵抗するのも理由があるんやけどな。
謙也さんは白石部長のだから。

ほら、その印にそのお揃いの指輪とか、
見えそうで見えない位置にあるキスマークとか。

「うるさいって言うたの聞こえへんかったん…?」

自分でも驚くほど、ドスの利いた声が出た。

「やっあ、く、ら、っ、」

“蔵”付き合い始めてからそう呼び始めた。

「白石部長がくるわけなんかないやろ」

そういうと俺は謙也さんの服を引きちぎる。
謙也さんはもう、怯えて震えていた。

「はっ、抵抗しなくなったんやね」

前の突起から愛撫を繰り返す。
謙也さんの身体には赤く彩られた印があって、
そして、それは白石部長のものだっていう、証。

「白石部長とは頻繁にヤってるんすか」

「うるさい、ねんっ嫌や」

謙也さんは泣いていた。
でも、俺はやめない。
俺だって、謙也さんが好きなのに。

謙也さんの自身に触れると、それは少しだけ反応していて。
俺は軽く上下に扱いてやると先走りが溢れてくる。

「こんなことされてんのに感じるんすね。ココ濡れてますやん」

「かん、じてないっ…」

「まあええですわ」

そして俺は慣らしてもいない謙也さんの穴に突っ込む。

「ひっ、っ痛っ、痛、痛いっ…っ、」

赤い鮮血が少し飛ぶ。
慣らしてないから少しキツかったが俺はそのまま進めた。
そして、全部入れると、思いきり動く。
俺の想いをぶつけるかのように。

「いたあっンっも、ぬい、て、ぁっ、ン、は」

「抜いてとか言うて、感じてんの誰や」

「ひぃっ…ぁあ、っ」

最初はキツかったものの、慣れるのが早く、
喘ぎ声を出す様子を見ると、
白石部長とよく行為をしていることが分かる。

「俺、のが入っているんやで、白石部長のやなくて」

「いやあ、いやっあ、蔵っ…っ、蔵ー…っ」

「白石部長の名前呼ぶなや」

俺は激しく最奥を突く。
謙也さんは揺さぶられて、意識が朦朧としている様子だった。

「俺ので、イッてください」

「いや、いやあっぅ、ンっ、蔵ぁ…っ」


俺は謙也さんの中にたくさんそそぎ込み、自身を引き抜く。
謙也さんは自分の腹に白濁を放って意識を飛ばした。

「謙也さん、大好きです」

俺もそう言って目を閉じる。


「…、いぜん、っざいぜーんっ」

遠くで謙也さんの声が聞こえる。
怒ってないんやろか。

「謙也…さん?」

目を覚ますと、部室にいて目の前には、
謙也さんと白石部長がいた。
俺は正直戸惑った。

「財前めっちゃ、うなされてたで」

「え?謙也さん怒ってないん?」

「何がや?」

「財前、謙也の夢でも見たんか?」

「…いや、何でもないっすわ」

「まあええけど。ほな、部活始めんでー」

どうやら俺は部活が始まる前の30分弱、
眠っていたようだった。

「財前、寝顔も無愛想なんやなーなんつって」

あれが夢で良かったのか、
俺には分からないけれど、
目の前にいる謙也さんの笑顔を見ると、
失わなくて、良かったとも思う。

だけどやっぱり、謙也さん、
隣の場所を俺にください。


( 俺を好きになってくれたらええのにな )



→まさかの夢でしたっていう。
無理矢理は苦手なので夢にしてみました。

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