好きな人ほど *



「謙也さん、ホンマきもいっすわーださいっすわー」

「なっ…どこが、やっ、」

「全体的にっすわ―」

俺の後輩、財前光は、部活の時はいつもこんな態度だ。
部長である白石にも、

「財前、いくらへタレな先輩やからってそんなこと言うもんやないで」

と言われる程だ。

なのに。


「謙也さん、気持ちええ?…なあ?」

「はっう、っふうん…っひゃ、あっっ!」

俺は財前の部屋で組み敷かれ喘がされている。

まあ、誰にも言ってないんやけど…
俺と財前は恋人なんや。


「そんなにヨガってるんやったら気持ちええんやろ?」

「気持ち、よくあらへ、っん」

「こないに上の口からも下の口からも涎垂らしてんのに?」

「垂らしとら、んっわっ!、はあっンっあ、っ!」

グチュン、と水音が響き、俺の中で財前のちんこが
激しく出し入れされる。

「なら、言わせるまでやわっ…!」

俺のイイ所を目がけて、何度も何度も突き上げてくる。

「はあっ…んぁ、っう」

俺を突き上げながら、深く舌を絡めていく。
財前は凄く切なそうな表情で。
俺も流れに身を任せ目を閉じる。

しばらくして、唇を離すと二人を銀色の糸が繋いでいた。

「ざいぜ、っぁ、ああっん!」

財前の名前を呼ぼうとした時、
財前のちんこが俺のイイ所を掠める。

「謙也、さん、ココやろ?」

普段見せない笑みを浮かべた財前を見て
俺は顔が熱くなるのが分かった。

「ああっうっッふ、ぅっうっ、ぁんっ!もっ激し、」

それからずっと
俺のイイ所ばかりを突いてくる。

「謙也さん、気持ちええって言ってや、」


財前は俺を突きながら、頭を撫でる。


「気持ちえ、ぇよ、ンっぁうっ、財っ、前、ひぁっ、好、きや」

財前はもう一度二コリと笑って俺の生理的な涙を舌で掬い取った。


「俺は、大好きです」


そう言ってラストスパートをかけ激しく動き、
俺は財前のを締め付け達した。
財前も俺の締め付けに耐えられなくなり、中に白濁を放った。


行為後二人でベッドに横になり、財前が呟く。

「謙也さん、ホンマかわええっすわ」

「何なん、…っお前、部活の時いつも、…」

俺が言う前に財前の唇が重なった。
そして、リップ音を立てて唇が離れる時、耳元で聞こえた。


「好きだから」


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