光謙 *



「謙也さん、苦しいですか」

「苦…しくなんかないわっ」

目の前で後輩の財前が笑っている。
一応、恋人の財前光がニヤニヤしてこっちを見ている。

「俺のが欲しいんやろ?」

「ぁ…ンはっ…、ちゃ、うわ」

今は部活の休憩中。
交代制の休憩なため、
俺は財前と休んでいた。

いつもなら普通に喋るのだが、今日は違う。

俺は部活が始まる前、財前に媚薬を盛られた。
それも、スポーツドリンクの中に。
全く気付かなかった俺は、普通に飲んだ。
その後、俺の中ですぐ変化が起きた。

「ネットで買ったんですけどね、この媚薬効果ありすぎやないすか?」

「ん、…財、前、許さ…へん、から…は、あ。」

「へえ、まだそないな口聞けるんすか。早く入れて欲しくて仕方ないんとちゃいます?」

確かに、財前の言っていることは正しい。
この高ぶった熱を出してしまいたい。
でも言いたくない。

「ほら、ここ、こないになってますけど?」

俺の自身をズボンの上から指差して笑う。

「いや、や、見んといて…」

俺の視界が歪む。
ああ、涙。涙が零れおちる。

その時だった。

「謙也、財前、休憩終わりやで、って、謙也何泣いてるん?」

「あ…えっといや…」

「白石部長。謙也さん具合悪いみたいなんで、俺保健室連れてきます」

「さよか、よろしゅうな、財前。謙也は無理するんやないで」

「はい。行きましょ、謙也さん」

「…おん。」

財前に腕を引かれ、連れてこられた先は、トイレの個室だった。
それもそのはず、俺は具合が悪いわけじゃない。

「謙也さん、泣く程辛かったんすね」

「いやや、もう、いじわるせんで…」

「ほな、言ってもらいましょか」

俺は一瞬ためらうも、やはり堪えられなくなり
顔を真っ赤にして言った。

「…っ財前の、いれ、て」

「お望み通りに。」

財前は満足そうに笑うと、
俺をトイレの壁に押し付け、
ズボンと下着を一気に引き下ろし、
自分自身を宛がった。

「慣らさなくても大丈夫っすよね?もうこんなんやし。」

「…い、から…はや、く」

「謙也さん、がっつきすぎ、ちょっと声抑えてや?」

そういうと同時に俺の中に財前が入ってきて
激しく動き始める。

「んっ…いやあっ、あ、はぁ…ン」

「謙也さん、ええですか?」

「ん、きもち、い、財前、ざいぜ、ん…」

「…俺の名前は、光、やで」

「ひか、っひかる…う、ンっ」

「よくできました。」

そう言うと財前は今までよりもっと奥深くまで突いてきた。
ラストスパートをかけるように、ずっと深く深く。
俺のイイところばかり突いてくる。

「ひか、るぁ、ンっ、はげし、ンっ、ゃっあ、あ」

「謙也さん、出してええですか?」

「お、ん…っ 光の、たくさんっ」

「謙也さん、愛しとる」


行為後、当然ながら俺は財前を怒った。



「腰、痛いわっ。もう、媚薬とか盛るんやないで」

「でも、謙也さんノリノリやったやん。イキ顔めっちゃかわえかったし」

「うっさいわ!!!!!」



( 生意気な後輩には敵う気がしない )



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