泡と俺と君 *



今日は光ん家に泊まりやで。

遊ぶことは頻繁にあるけど泊まりなんて珍しい。

(まあ、部活だって殆ど毎日あるししゃーないんやけど)

とりあえず、今日は光からのお誘いっちゅーことで
めっちゃ楽しみなん。


しかも、恋人同士のお泊り、って言ったら
あんなことやこんなことするんかなあとか思ってる自分がおる。
セックスなんて、最近本当忙しくてご無沙汰やったしなあ。

って、何考えてんねん、俺。


もちろん光の家には、家族が普通におるのにな。


「謙也さん、先風呂入ってええですよ」

「え、ええの…?」

「これでも一応、お客さんなんで」

「何や!一言多いっちゅー話や」


でも、なんやかんやでバスタオルとかタオルとか、
用意してくれてる光はやっぱり優しいと思う。

階段を下りていくと、光のオカンと丁度会って、


「お風呂借ります」

「はいよー、光に背中流してもらったら?なんてね」

「ひぇ?あぁ、ははは」

(冗談に聞こえへんわ…)


何とか脱衣所で服を脱ぎ、風呂場についてシャワーを出す。
湯船にも浸かり幸せな一息を過ごした。

湯船からあがり辺りを見渡すと、
いろんな種類のボディソープやらシャンプーがあり
どれを使ったらいいのか迷う。

「光のはどれなんやろか」

「謙也さん、俺のその青いやつっすわ」

「え?!」

光のオカンの言葉が思いだされて、
振り向いたがそこに光はいなかった。


が、


どうやらドアの向こうに居るらしい。


「わかりました?まあええわ」


ガチャ。



「ひ、かる?はだ、かっ!」

「せっかくやから背中流したろうと思って」


そういう光は意地悪な笑顔を浮かべていた。





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