プレゼントは君 *



「財前、クリスマスプレゼントは何が欲しい?」

冬休みに入り、クリスマスイブが明日に迫った今日、俺は恋人の財前光に聞いた。

「…ブランド物の時計かな」

時計かな…、時計かな…
しかも、ブランド物のなんて高級過ぎるやろ。

「アホ、そんなモン買えるワケないやろ」

「可愛い恋人が頼んでるのに?」

財前は上目遣いで俺に言う。

「い、や…ホンマに、スマンな」

俺は財前に弱い。
いつも願い事を聞いてしまう。

だけど今回のことだけは
いくら財前が好きでも無理っちゅー話や。

中学生が、中学生にブランド物ねだる方がおかしい。
ちゅーかブランド物なんて早過ぎるやろ。

「…ふーん、ほな謙也さんでええっすわ」

財前がニコリと笑って俺の頬に手を添える。
俺と財前との距離が縮まって顔に熱が伝わり熱くなる。

「俺…?」

「そう。謙也さん、明日と明後日うちに泊まって」

「そんなんでええの?」

「おん、一緒にいてくれればそれで」

「わかったで!!楽しみにしてるな!」

「俺も楽しみです」

その時、財前がまた笑顔を見せたので
俺は何だか幸せな気分になった。



翌日、俺は早朝から荷物を背負って財前の家に向かった。
財前の家族は皆それぞれ仕事や出掛けに行ったようだった。

「財前っ、おはよ」

「あぁ、謙也さん」

少し無愛想な財前が現れた。
自分からお泊りを誘っておきながら眠たそうに目をこする。

「財前、眠いん?」

「はい、朝からうるさい声で目が覚めました」

「なっ、うるさいってっ…なんっや、!?」

口を塞がれ、家の中へ連れ込まれる。
部屋に着くと財前はまたベッドに潜っていった。

「…寝ますわ」

「ざいぜーん…ひかるく…ーん」

反応はない。
スースーと寝息を立てて俺の横で眠ってしまう財前。

「何や、俺が来たっちゅうのに…あれ」

辺りを見渡すと電源の付いているパソコンがあった。

「…暇やし、パソコン借りよかな」

パソコンを見るとどこかのサイトが開いたままやった。



prev next

 
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -