あなたはあの日々を覚えてますか。
「名無しさんちゃーん…」
「赤也!もう泣かないの。」
「だって、あいつが俺のお菓子…」
「お菓子なんて、私があげるから」
「うん…」
お菓子取られたくらいですごい泣いて
私のお菓子をあげるまでずっと拗ねてて
困ったんだよ、あの時。
なのに今は、
「おい!名無しさんここ、わかんねえ、教えろ」
「何、その態度、可愛くない」
「しょうがねえじゃん、毎日部活で勉強できねえんだから」
「知らないよ、そんなの。私だって余裕ないの」
「悪い点取ったらやばいんだよ」
「…はあ、わかったよ。」
私は結局赤也には弱いみたいで。
赤也は昔のように私を頼りにしてくれてるようで。
「ねえ、赤也」
「何だよ?」
「お菓子取られて泣いたの、覚えてる?」
そう言った私の方を彼は真っ赤な顔で見てくれた。
( ああ、やっぱり昔のまま。 )