「ジローちゃん!」


私の幼なじみはいつも寝ている。
本当にどこでも寝ている。

電車、学校、部活。

「声大きいC〜」

「あと3駅だよ、」

「まだ、大丈夫だC〜」

そう言って、ものの何秒かでまた眠ってしまう。
そして、私は、こんな手のかかる幼なじみが好きだったりする。

電車に揺れる横顔を見ると可愛いな、と思ってしまう。

「ジロー…ちゃ」

「名無しさん、起きて!起きて!」

「ふ、え?」

「もう、終点!!寝過ごしちゃったC〜!!」


終点で降りて2人して笑う。
結局ジローちゃんに起こされたし。


「次の電車まであと少しあるよ」

「なら寝るC〜」

「ジローちゃん、次は起こすから。おやすみ」

「名無しさん、ありがとう〜」


眠る隣の幼なじみを見て、これから先もずっと
幸せそうにしている君を見れたらどんなに幸せかなと、


( 未来を想像して1人笑っていたんだ )






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テーマ「人外ファンタジー」
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